人気観光地の沖縄県宮古島市でリゾート開発に暗雲が漂っている。訪問客増加で水の需要が高まり、将来的に水が不足する懸念があるためだ。市は休止中の浄水場を再稼働させるなど対策に腐心するが、ホテルの建設ラッシュにブレーキがかかる可能性がある。

 りゅうぎん総合研究所(那覇市)によると、現在稼働する市内二つの浄水場の給水能力は1日当たり計3万4005立方メートル。一方、観光客が増え続けた場合、2030年度の水の需要は推計で最大3万4228立方メートルとなり、供給能力を上回る見通しだと分析した。

 宮古島への観光客は18年度に年間100万人を突破。新型コロナウイルス禍で一時的に落ち込んだが、23年度は約94万人となりコロナ前の水準に回復しつつある。

 宿泊施設は増加傾向が続き、県によると「ホテル・旅館」は22年末時点で104軒と、この5年間で1.8倍となった。

 高級志向のリゾートホテルの建設が中心で、プールや全室内に浴槽を置くケースが多いことも水需要の高まりに拍車をかけている。