小説家の故小松左京さんの代表作をアニメ化した米配信大手ネットフリックスの「日本沈没2020」(9日、全10話を配信)。プロデューサーのチェ・ウニョンさんは「失って初めて気付く日常の美しさを描いた。(新型コロナウイルスの影響で)生活が一変した今にぴったりな作品だと思う」と話す。

 原作は1973年に出版。地殻変動で日本列島が海中に沈むという衝撃的な内容が話題を呼び、実写映画やドラマにもなった。今作は舞台を2020年に移し、アニメ「映像研には手を出すな!」(NHK総合)などを手掛けた湯浅政明さんが監督を務めた。

 主人公は原作に登場する科学者や政治家ではなく、東京に住む女子中学生の歩とその家族だ。次々に襲い来る災害の中で、必死に生き抜こうとする姿が描かれる。

 時代設定が昭和から令和に変わり、脚本は「ほぼオリジナル」。SNS(会員制交流サイト)などを効果的に取り入れるとともに、多面的な人物造形にこだわったという。「主人公だから常に前向きとか、助けてくれる人は善人とか、人ってそんなに単純じゃない。極限状態だからこそ見えてくる一面もある」

 ビルの倒壊や土砂崩れの場面は、実際の映像を参考に、石の落ち方一つまでリアルさを追求した。チェさんは「背景に少しでも違和感があると、物語に没入できなくなる。歩たちと一緒に、未曽有の災害を体感してほしい」と話した。