京都の上場企業、自社株買い活発 株主に利益還元

京都の上場企業、自社株買い活発 株主に利益還元

 自社の株式を市場で買い戻す自社株買いが、京都の上場企業で活発になっている。1株当たりの利益を高めたり、株価の上昇を促したりして株主に利益還元するのが主な目的だ。リーマン・ショック以降の業績回復で積み増した手元資金を有効活用する狙いもあるとみられる。

 社株買いで市場に出回る株式の数が減ると、1株当たりの資産価値が高まり、株価上昇が期待できる。企業が「株主を大切にしている」「株価が安すぎる」と市場にアナウンスする効果もある。

 京都企業では、今年に入ってからワコールホールディングスが2月に約20億円で140万株を取得したのをはじめ、2月から3月にかけて第一工業製薬が約10億円で約227万株、SCREENホールディングスが約20億円で約26万株をそれぞれ購入した。日本電産は昨年12月、年間の自己株の取得枠を300万株から500万株、240億円から500億円にそれぞれ引き上げた。

 各社とも主な目的は株主還元だが、中には特殊な事情が絡むケースもある。以前は地域的につながりの深い企業同士で株を相互に取得し、敵対的株式公開買い付け(TOB)を防いだり、取引関係を強化したりする場合があったが、近年は株主の目線が厳しく、持ち合いを解消する傾向にあるという。SCREENは「持ち合い株の売却で得た資金の一部を自己株買いに充てた」(IR室)とする。

 取得した株式は消却し、1株当たりの価値を高めるケースが多いが、役員に割り当てて業績向上への動機付けにする場合もある。オプテックスグループは4月、自社株6千株を取締役10人に割り当てた。IR担当は「投資家と同じ視点で企業の発展に励んでもらう」狙いと説明する。

 全国的にみても、自社株買いは増える傾向にあり、2016年度の購入総額は4・8兆円と3年前の倍以上に膨らんだ。背景について、大和総研の太田珠美主任研究員は「株価が近年伸び悩んでいるため、投資家にインパクトを与えようとの思いが強い。また、リーマン・ショック後の業績回復でできた余剰資金を株主に還元する狙いがある」と指摘。引き続き高水準で続くとの見方を示している。

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