受動喫煙防止憲章5年、成果見えず 京都府、数値目標なく

 受動喫煙による健康被害を防ぐため、京都府が2012年3月に「受動喫煙防止憲章」を策定して5年たった。受動喫煙ゼロを目指し、府民や飲食店などに自主的な対策を求める内容だが、数値目標がなく、憲章の効果は不透明だ。

 府の憲章は、多くの人が利用する施設については将来的に禁煙とすることや、受動喫煙防止の分かりやすい表示、喫煙者のマナー順守などを求めている。

 これに基づき、府内の宿泊施設や飲食店など12団体でつくる事業者連絡協議会は、「禁煙」「完全分煙」「空間分煙」など6種類のステッカーを作り、府内の加盟店約3600店や加盟店を含む京都市内の飲食店7千店に配って掲示を呼び掛けた。掲示状況は調査中というが、関係者によると十分進んでいないという。

 市内で喫茶店を経営する男性(63)は「うちは仕切りのない空間分煙だが、掲示してアピールすることはむしろ、たばこを嫌がる女性客を減らすことにつながる」と掲示しない理由を明かす。

 兵庫県や神奈川県は罰則付きの受動喫煙防止条例を制定した。京都府も憲章策定前に条例化を検討したが、飲食業界などから反対の声が上がり、立ち消えになった。

 6月に閉会した通常国会では対策強化を含む健康増進法改正法案の提出が見送られた。喫煙可能な飲食店の面積基準などを巡って、厚生労働省と自民党が真っ向から対立し、法案提出は今秋の臨時国会以降に先送りとなった。

 受動喫煙は妊婦や子どもらたばこを吸わない人の健康に害を及ぼし、医療費の増加にも影響を与える。受動喫煙対策に熱心に取り組む下京西部医師会の安田雄司会長(65)は「空間分煙や機器の設置では、煙や化学物質を完全に排除できない」と主張。「受動喫煙が原因で年間1万5千人が亡くなっているという事実を受け止め、行政は市民の健康を守るために最善の取り組みをしてほしい」と話す。

 京都府の山田啓二知事は6月の定例会見で「できるだけ多くの人が合意して受動喫煙の取り組みを進めることが京都式だが、憲章の成果が分かりにくいのは問題。うまくいっていないのなら次の手段を考える」と、さらなる取り組みを示唆した。

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