野外彫刻の切断着手、作者側は反発 京都市美術館

 京都市美術館(左京区)再整備工事に伴い、移設を検討していた野外彫刻モニュメントについて、市は8日、地上部分を切断し、いったん撤去する工事に着手した。作者側は、地中部分を含めて一体で移すよう求めており、「思いと異なる工法だ」と反発を強めている。

 作品は、地上高約11メートルの石柱2本でつくる「空(くう)にかける階段’88−?」。市が再整備に伴う地面の掘削で倒壊する恐れなどがあるとして、分割保存や敷地内に横倒しする案を示した。これに対して作者の彫刻家・富樫実さん(86)=北区=らが難色を示し、市美術館との間で7月21日、「可能な限り現状を維持する」との確認書を交わし、撤去後に現在地で再展示する方針で合意した。

 ところが、撤去の工法を巡る協議が平行線をたどり、作者側は、阪神大震災後に作品の根元の周囲に補強のため取り付けられた基壇と、基礎の地中部分に埋まっている長さ計1・4メートル分も一体で掘り出すよう求めたが、市は「地中部分を含めた撤去では、基壇を壊す必要があり、倒壊の危険性が高まる」として、基壇より上の地上部分を切断する方法を採用した。

 工事前日の今月7日の話し合いでも両者は折り合わなかった。作者側で協議に関わる市美術館問題を考える会代表の貴志カスケさん(64)は「『今のままが一番いい』と願う作者の思いを踏みにじるやり方だ。再展示方法を含めた成案を得るまで工事を待つべきだ」として、美術館前での抗議活動を当面続けるという。

 いったん撤去する工事は18日で完了する。市は費用に2400万円かかるとしている。

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