雨露にぬれ沙羅双樹はかなげ 京都・東林院

雨露にぬれ沙羅双樹はかなげ 京都・東林院

 平家物語で記される「沙羅双樹(さらそうじゅ)」として知られるナツツバキの花が、京都市右京区の妙心寺塔頭・東林院で見ごろを迎えている。白い落花が、雨露にぬれる庭に映え、拝観者が風情をめでている。

 ナツツバキは朝に咲き、夕方に散るはかなさが無常を思わせる。釈迦(しゃか)の入滅時、近くにあった沙羅双樹にたとえられ、平家物語では「盛者必衰の理(ことわり)をあらわす」とうたわれる。

 東林院では15日、特別公開の開始に伴う「花供養」が営まれた。本堂に献笛の音が響く中、拝観者が十数本の庭木に咲いたり、苔(こけ)の上に散ったりした花を観賞した。

 秋田県能代市の会社員、清水優子さん(57)は「清らかな花が散り落ちた時、『ぽん』と音がしたような気がした。はかなさとお寺の空気に感じ入るものがありました」と庭を眺めた。

 西川玄房住職(79)は「花の咲き始めは例年より早いが、見ごろはこれから。命の無常を感じてもらえたら」と話していた。特別公開「沙羅の花を愛(め)でる会」は30日まで。有料。

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