苦労の連続、糧に成長 ロシアW杯へ・東口順昭選手

苦労の連続、糧に成長 ロシアW杯へ・東口順昭選手

 サッカーW杯のロシア大会が開幕した。日本代表の精鋭23人のうち、京都・滋賀関係では乾貴士、宇佐美貴史、東口順昭の3選手が世界に挑む。才能を磨き、壁を乗り越え、初めてたどり着いた大舞台。京都・滋賀での日々から、彼らのルーツを探った。

 上背が必要なゴールキーパー。中学3年で身長は170センチに届かなかったことが、東口順昭選手(32)には人生の分岐点になった。

 大阪府高槻市生まれで、中学時代はガンバ大阪ジュニアユースに所属。しかし小柄な体格がネックになり、高校年代のユースに昇格できなかった。「思えば、それが今の自分のきっかけになった」と振り返る。

 進学したのは洛南高。同高監督だった増井誠徳さん(70)は「足元の技術がしっかりしている」と可能性を感じた。ユース昇格を果たせなかった少年も気持ちを切り替えた。指導体制やグラウンドなどガンバの下部組織とは環境は異なったが「自分がキーパーの仕事をすれば勝てる」と強い責任感を抱くように。身長も3年間で20センチ伸び、ハイボールに強くなった。

 主将に指名された3年。全国高校選手権京都大会準決勝の大谷高戦は2−2でPK戦となり、東口選手が相手の3人目を止めて勝利の立役者になった。同級生だった田中大陸さん(31)は「ヒガシ(東口)に任せておけば大丈夫という、信頼感があった」と語る。

 城陽高との決勝は1−1で再びPK戦へ。相手の4人目がゴール左隅に蹴り込んで優勝を決め、逆を突かれた東口選手はそのままグラウンドに座り込んだ。高校3年間で全国大会出場はかなわず、京都府の国体少年選抜チームからも漏れた。当時、城陽高の監督だった府保健体育課長の村上昌司さん(55)は「悔しい敗退だったと思うが、以降の活躍は京都の高校生の大きな目標」とたたえる。

 進学した福井工業大では指導者が代わったこともあり、3年時に新潟経営大へ編入。J1新潟に入団すると、正GKの故障からチャンスをつかみ2年目でレギュラーに。活躍が認められ、2014年に「古巣」のガンバから獲得のオファーが舞い込んだ。「自分でも遠回りのサッカー人生と思うけど、それがないと、ここまで来られなかった。苦労してなんぼと思う」

 今年4月のリーグ戦で顔面骨折した時も諦めず、3週間で復帰してW杯に間に合わせた。過去にも日本代表に選ばれた直後に故障したことがある。「こんな時にけがをするのが自分。でも手術後はピッチに立つ姿しか想像していなかった」

 日本代表ではベテランの川島永嗣選手(35)を追う立場。「永嗣さんが正GKを取ったのもW杯直前。練習から自分のプレーをぶつけたい」。サッカーは何が起こるか分からないことを知るからこそ、最後まで必死でアピールする。

 ■ひがしぐち・まさあき 大阪府高槻市出身。ガンバ大阪ジュニアユース−洛南高−福井工業大−新潟経営大−新潟−ガンバ大阪。国際Aマッチ5試合出場。184センチ、78キロ。

 =3回続きの3回目

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