15年で4回水害、住民消沈 京都・舞鶴、国のポンプ車入れず

15年で4回水害、住民消沈 京都・舞鶴、国のポンプ車入れず

 西日本豪雨で京都府舞鶴市・加佐地域は昨年10月の台風21号に続いて由良川の支流があふれる内水氾濫に再び見舞われ、真夏日となった11日も住民は泥の撤去などに追われた。豪雨時、内水対策で投入された国土交通省の排水ポンプ車が現地入りできなかったトラブルもあり、住民らは繰り返される水害に怒りと諦めの表情を浮かべた。

 「昨年に続き今年も浸水。採算が合わなくても地域のため店を続けてきたが、もう店を畳むことも視野に入れている」。食料品や日用雑貨を扱う店を経営する男性(70)=同市志高=は難を逃れた商品がわずかに並ぶ棚を眺めながら語った。約12坪(40平方メートル)の店内の壁や棚には約1・4メートルの高さに泥の線が残る。

 豪雨前に避難させた冷凍庫に加え飲料や調味料などの商品も半数以上が水没した。片付けに追われ、「朝も夜も分からない。考えていたのは水のことばかり」。一睡もせずに店を見守ったメモには、浸水開始の7日午前2時40分からの水位が10分〜1時間おきに刻まれていた。

 ■04年には観光バス水没

 市西部の加佐地域では由良川沿いに1828世帯3699人が暮らす。中でも市加佐分室のある志高地区は2004年の台風23号禍で由良川が氾濫し、観光バスなどが水没した。13年の台風18号、昨年の台風21号、今回の豪雨と約15年間で4回の水害に遭った。

 国交省は築堤で由良川の氾濫を防ぐ一方、水門の閉鎖で内水氾濫が起きている。昨年の台風21号の被害を教訓に市は5日に排水ポンプ車の出動を福知山河川国道事務所に要請した。同事務所は7日午後3時すぎ、福井県内から市に2台を派遣したが、現地に到着したものの堤防への進入路が未舗装だったため、ぬかるみでポンプ車は立ち往生。約1時間後の午後6時半ごろに引き返した。同事務所は「水位の状況から配備して排水できたとしてもそれほど(被害低減に)影響はなかったのではないかと思うが、今後は排水の確保や舗装を進めたい」とし、10日から緊急工事を始めた。

 ■これまでから常備を要望

 ポンプ車は昨年の台風でも道路の冠水で現場入りできず、要請した市建設部の矢谷明也部長は「内水氾濫に対するポンプ車の効力について検証もできていない。現地に持って行けなかったのは残念」と話す。志高地区では常備を要望してきたといい、地元区長(69)は「堤防のおかげで被害は減ってありがたいが、床上浸水は続いている。排水施設とまでは言わないが、せめてポンプ車だけでも」と話す。

 ひび割れた茶色の汚泥と土色に染まったマリーゴールドの苗。女性(44)は夫と18年前に苗栽培を始めたが、4度目の浸水被害。「なんとかやりくりしてきたが、持ち直すたびに水害。また台風の季節。もうええやろ」。ビニールハウスを眺めながら苦笑いした。


スゴ得でもっと読む

スゴ得とは?

関連記事

おすすめ情報

京都新聞の他の記事もみる

関西の主要なニュース

京都 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

地域 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

地域選択

記事検索