96歳寂聴さん衰えぬ人気 法話への応募増、本相次ぎ増版…

96歳寂聴さん衰えぬ人気 法話への応募増、本相次ぎ増版…

 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(96)の人気に火がついている。テレビ出演の依頼が相次ぐほか、若者と意見を交わすイベントが開催されたり、瀬戸内さんが開く法話にかつてないほどの応募が寄せられたりしている。人気の理由を探った。

 今月2日、京都市右京区の寂庵で、瀬戸内さんが10〜20代の若者と友情や戦争について語り合うイベントが開かれた。参加したのはモデルのゆんころさん(28)やタレントのぺえさん(26)ら8人。うち1人はオークション形式で選ばれ、東京都の会社経営者(28)が64万8千円で参加権を落札した。

 主催したのは、スターと特別な体験を提供する「ミーアンドスターズ」(東京都)。第1弾は、俳優の山田孝之さんによる「1日受付」で、瀬戸内さんは第2弾にあたる。起用理由をセールスマネジャーの出原大樹さん(27)は「今をときめく人。若者にとって神や伝説のような存在なのに、話される言葉はとても親しみやすく、心に深く届く」と話す。イベントは動画収録され、8月上旬にスマートフォンアプリなどを通じて公開される。

 瀬戸内さんの日常を特集したテレビ番組も増えている。きっかけは秘書の瀬尾まなほさん(30)が昨年11月にエッセー「おちゃめに100歳! 寂聴さん」を出版したこと。原稿を書かずに週刊誌を読んだり、つけまつげに挑戦したりするなど、これまであまり知られていなかった瀬戸内さんの素顔が話題を呼び、18万部のベストセラーに。同時に昨秋以降、15を超える番組が放映された。

 報道情報番組「キャスト」は今年3月に続き今月中旬も瀬戸内さんを特集する。取材した朝日放送テレビの記者浅井利紀さん(49)もきっかけは瀬尾さんの本だった。「寂聴さんがあんなにおちゃめな方だとは思ってもみなかった。瀬尾さんとの漫才的な掛け合いも面白い」と話す。特に瀬戸内さんと瀬尾さんの関係性に興味を持った。「世代が違うと接点がない時代に、66歳差の2人が互いに補完している。このような関係性が広まればと思う」

 瀬戸内さんが30年以上にわたって京都で開く法話の会も申し込みが殺到している。定員150人に対し、ここ2、3カ月は通常よりも1・5倍多い1500〜1600通の応募はがきが届く。大阪府内の主婦(63)は「96歳の今も自立して生きる姿をテレビで見て感銘した。ぜひ生の声を聞きたかった」と話す。

 瀬戸内さんの本もベストセラーが相次いでいる。腰椎の圧迫骨折と胆のうがんの手術をしたことなどをつづり、2016年に出版した「老いも病も受け入れよう」は今年に入って4度重版し、17刷15万5千部に。生老病死の考えを書いた「愛することば あなたへ」は発売1カ月余で3刷6万部を記録した。

 “最後の長編小説”として昨年12月に出した「いのち」は、純文学としては異例の12万部に。読者層の中心は60〜80代の男女という。瀬戸内さんのどの部分にひかれているのだろうか。担当編集者で、講談社文芸第一出版部長の見田葉子さん(52)はこう考える。

 「96歳の今も現役で、執筆をはじめ積極的に活動されていること。大病に打ち勝つ精神力、波乱の人生を乗り越えてきた経験に基づく知恵、作家ならではの洞察力と伝える力、仏教者としての深い愛情、いつまでも若々しい精神など、現在のシニア層が目指す先達の姿があるのではないでしょうか」


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