錦市場の食べ歩き「遠慮して」 京都、訪日客増でゴミ散乱も

錦市場の食べ歩き「遠慮して」 京都、訪日客増でゴミ散乱も

 「京の台所」として知られる京都市中京区の錦市場で、外国人観光客の増加に伴って急速に広がった「食べ歩き」を遠慮してもらう取り組みを京都錦市場商店街振興組合(同区)が今秋から始めた。狭い通りでの買い物客の衝突や混雑を防ぎ、京情緒を守る狙い。多言語の掲示物を設置したり、飲食スペースの開設を店舗に呼び掛けたりして、店内や持ち帰り先で落ち着いて味わう観光客を増やそうとしている。

 同組合によると、歩きながら食べる現象はここ2、3年の訪日外国人客数の急増に伴って目立ち始めたという。京の食文化が気軽に体験できる観光スポットとして同市場が訪日客らに広まったことを受け、各店舗も串に刺した揚げ物・焼き物や、手持ちできる総菜のパック販売などに力を入れるようになった。

 今のところ大きなトラブルは起きていないが、往来の邪魔になったり、ごみが散乱したりするケースが続出。通路は幅3・5メートル程度と細く商品の見定めには適しているが、食べ歩きには不向きなため、組合として抑制していく方針を今春決めた。

 一方で、観光客を楽しませたいという店舗の考えは尊重し、食べ歩きを「禁止」するのではなく、購入客に「遠慮してもらう」とのスタンスにしたという。

 方針を観光客らに周知するため、京都工芸繊維大(左京区)と共同制作した駒札型の掲示物を10月から各店先に掲示。「歩きながらの飲食はご遠慮ください」と日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で記し、分かりやすい絵記号も描いている。統一デザインのごみ箱も順次店先に設置し、店内での飲食やごみ捨てを呼び掛けている。

 各店舗には、飲食スペースの設置や購入客に注意を促す声掛けも求めており、今後、組合としても飲食できる場所の開設を検討しているという。同組合の宇津克美理事長(81)は「錦市場は約400年の歴史があり、事故が起きれば培ってきた信頼やブランドが傷つく。しっかりとした理念を持ちながら、観光という時代のニーズに対応する『不易流行』の考えで錦らしさを守り、地元客も観光客も全て大事にしていきたい」としている。


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