樺太アイヌは、樺太(サハリン)で暮らしていた少数民族。弦楽器「トンコリ」は樺太アイヌに伝わる楽器で、犬ぞりなど北海道のアイヌ民族とは異なる言語や文化を育んでいた。

サハリンに国境線が引かれていなかった明治維新当時、樺太アイヌ約2400人が暮らしていたとされる。1875年の樺太千島交換条約で日本は全サハリンをロシアに譲渡。樺太アイヌの一部は北海道江別市対雁の開拓地に強制移住させられ、疫病で半数近くが死亡するなど辛酸をなめた。日露戦争で日本は南樺太を領土とし、樺太アイヌは人口1200〜1500人とされたが、多くが敗戦後、日本各地に離散した。
「樺太アイヌ語」を母語とする最後の話者は1994年に北海道で亡くなり、一人もいなくなった。でも日本人は誰でも一言だけ、樺太アイヌ語を知っている。「トナカイ」は樺太アイヌ語由来。