京都市が、2015年に市営の住吉山墓地(右京区御室)で「無縁墓」を撤去した際、使用者がいる1区画を誤って撤去したことが10日、分かった。撤去から4年以上たった昨年8月、使用者の滋賀県在住の70代の女性から「7、8年ぶりに墓参りに行ったら更地になっていた」と市に連絡があったという。市は約60万円かけて新たな墓を建てることで賠償する。


 京都市は、市内に8カ所ある市営墓地で、使用者が分からず、放置された墓を無縁墓として定期的に撤去している。直近では15年に210区画を撤去した。
 無縁墓は、使用者の氏名や区画番号が記載された台帳や地図、墓の現状などを確かめて抽出している。女性は管理料を支払っていたが、市は誤認の理由について「平成初期に地図を作り替えた際に、女性の墓とは違う墓の区画番号を記載してしまった可能性がある」と説明する。
 市は万が一、使用者がいた場合に備えて、墓地埋葬法に基づき、官報に公告したり、現地に立て札を掲示したりして使用者に名乗り出るよう告知していたが、女性は体調不良で何年も墓参りしておらず、気づいていなかったという。市は撤去後も墓石の主要部分や遺骨は保管していたが、女性は先祖代々の墓が突如姿を消したことにショックを受けていたという。
 15年の撤去時、京都市は別の男性の墓も誤って撤去したことが16年に判明している。市医務衛生課は「大変申し訳ない。今後は同様の事態が起こらないようにしたい」とし、紙の台帳や地図を来年度にデータ化する方針という。