新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、京都府宇治市の3図書館は臨時休館中だ。19日には、予約図書の貸し出しを除き、31日まで休館を延長した。同市折居台の市中央図書館を訪れると、鍵がかかり、中へは入れない。だが、館内の電灯はついていて、職員が働いている気配がある。職員は一体、何をしているんだろう―。3日から休館が続く館内を取材した。

 約18万冊を収める中央図書館は、2014年の改修工事で一部の貸し出し業務を除き1カ月ほど休館したが、今回のように3週間も全く利用がないのは初めてという。同図書館主幹の藤井健さんは「普段できない大がかりな図書点検をしている。職員は通常通りの勤務で、とても忙しいのです」と話す。
 絵本を集めた本棚の上には絵本が平積みにされ、並べ方を変更していた。同市の3図書館の絵本は、出版社ごとに分けた上で、書名の五十音順に並べてきた。子育て中の保護者から「本を見つけにくい」といった声が何度もあったが、中央図書館所蔵の絵本は1万冊以上。短期間の休館日に整理できる量ではない。全ての絵本をいったん棚から出し、並べ直す作業を3日から続けている。
 文庫本の棚は空きが目立つ。貸し出しが少なかったり、傷んだりした図書を書庫に移したという。中央図書館では近年、棚の隙間にまで本を入れるなど、スペース不足が課題だった。「図書を一冊一冊丁寧に見て、どの図書を並べるべきか考えている」と藤井さん。
 中央図書館では毎年、2月末に5日間ほど蔵書点検をしているが、図書に貼られたバーコードを全て読み込み、持ち去りなどがないか確認する作業が中心。ジャンルが違う図書が別の棚に入っていないかも目視で点検するが、「時間の制約があり、限界があった」(藤井さん)。29日間の休館は、より良い図書館づくりに充てているという。
 書庫では、職員が図書の出し入れに追われていた。利用者が入らない書庫では、図書をケースに入れて床に置き、スペースを確保してきた。複数冊ある図書を「除籍」したり、図書の置き場所を替えたりして、限りある空間を有効活用する狙いだ。
 このほかにも、著者の五十音順に図書を並べ替えたり、背表紙のラベルを貼り替えたりと、職員は慌ただしく作業を進めている。藤井さんは「長い間、利用してもらえないのは心苦しいが、再開館した時、以前より使いやすい図書館だと利用者に思ってもらえるようにしたい」と話した。