新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府が19日から20日にかけて小中学校などの一斉休校要請やイベント自粛に関する新たな方針を示したことを受け、京都府と京都市が学校再開や自粛解除に向け動き出している。すでに一部のイベントや施設運営を再開しているが、政府の方針や情報が曖昧で自治体任せの側面が強く、思い切った決断が難しいのが現状だ。

 政府は20日夕の対策本部会合で、一斉休校要請の延長を見送り、留意点をまとめた指針を今週中に策定する方針を確認した。半面、大規模イベント開催の可否については、専門家会議の見解を参考に主催者に「慎重な判断」を求めており、2月26日から続く自粛要請の解除時期は見通せない。
 京都府は政府方針に沿って抑制的な対応を続ける。府立中高や特別支援学校の春休み明けの再開に向け検討を始めたが、正式な方針は文科省のガイドラインを受けて発表する。府立図書館など3館については24日から開館する方針だが、4月以降の府主催イベントについては慎重に判断する姿勢を変えていない。
 政府の専門家会議が感染状況に応じて地域を3区分し、学校やイベント再開の判断を地域に委ねるよう提言したが、府幹部は「京都府がどの区分に当てはまるかまだ情報がない。近隣府県の感染状況など、国にはさらなる情報提供を求めたい」と注文をつける。
 一方、京都市は政府方針の「先手」をとってきた。
 20〜22日の3連休を見据え、二条城の桜まつりや円山公園のシダレザクラライトアップなど市主催イベントの自粛解除を17日に発表。23日には感染拡大防止を万全にした上でイベントや施設運営を実施するよう各部局に通知。同日から京都国際マンガミュージアム(中京区)を再開した。20日には政府が一斉休校要請の延長見送りを発表する直前に春休み明けの学校再開方針を打ち出した。
 背景には、市内企業の大半を占める中小企業や市の基幹産業の一つである観光業への打撃が大きいことがある。市幹部は「自粛一辺倒では京都経済は持たない。市が感染状況を分析し、自粛ムードを払しょくしないと取り返しのつかないことになる」と気を引き締める。