3月に入り、京都市内の住宅地で、ごみ袋が回収されないまま放置されている光景が目につくようになった。卒業や転勤で引っ越す人が処分した廃品と見られるが、分別の方法やごみ出しの曜日が不適切なケースだけでなく、「1人で一度に出せるごみ袋はおおむね二つまで」というルールに抵触し、収集対象外となっているごみ袋もある。住民は「ごみ出しのルールが知られていない」として周知の徹底を求めている。

 今月14日の夕方。左京区高野の住宅街で、衣類や毛布などの入ったごみ袋十数個が回収されないまま路上に転がっていた。袋には「引越し等のごみを1回の収集で出していただく場合は、おおむね2袋まででお願いします」と書かれたシールが貼られていた。

 近所に住む男性(62)は、町内に学生向けのマンションやアパートがあることから「おそらく引っ越しする学生が捨てたのではないか」と推測し、「衣類などの入ったごみが置いたままだとあさる人がいるので困る。市指定のごみ袋なのに、なぜ回収しないのか」と困惑気味に語った。

 市はごみを出す際のルールとして、1人が一度に出せる量を45リットル袋換算で2袋までと規定している。同一人物が二つ以上出したごみ袋と収集員が判断した場合は、回収せずに「不適正シール」を貼る。その判断の根拠は、収集員の経験と勘に基づいているという。

 そうした運用をしている理由について、まち美化推進課は「一度に大量のごみを出されると、回収車が過積載になるおそれがある。日に何度も収集に行くのも非効率だ。法令順守と回収効率の両面から、ルールを守ってもらうよう市民にお願いしている」と説明する。ルールの周知についても「転入者に手渡すごみ出しのハンドブックやホームページなどの各種媒体で行っている」と強調する。

 だが、ごみ出しルールの周知が行き渡っているとは言いがたい実態もある。2018年度に収集員が張った不適正シールは約8500枚に上り、中でも引っ越しシーズンの3月は約千枚と多かった。内訳はプラスチック類の不適切な分別が最も多いが、一度にごみ袋を2つ以上出しているケースも相当程度含まれるという。ごみ袋を出した本人が引き取らない限り路上に放置されたままとなるため、地域住民からの苦情を受けて収集車が引き取りに行くこともあるという。

 左京区高野の住民男性は「私も一度に2袋までというルールは知らなかった。市はもっと広報しないといけないのではないか」と指摘する。まち美化推進課は「周知の強化について検討したい」としている。