高い技術や経験を持ちながら、後継者不足などから廃業を選ぶ小規模事業者は増えており、特に町工場はその代表格とされます。

IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)にて、倒産しかけたネジ工場を宇宙開発を手掛けるまでに成長させた方が登場。

「リアル下町ロケット」とのニックネームもついた、復活の真相とは。

抗えない時代の流れ。ネジの下請け企業から、「研究開発型町工場」へ

インタビューに登場していたのは、神奈川県茅ケ崎市にある株式会社由紀精密の社長大坪正人さん。

3代続く歴史ある同社は、「精密切削加工」という技術を武器に、主にネジの下請け製造を事業の中心としてきました。

しかし時代の流れとともに、売上の柱だった公衆電話の発注が激減。家業のピンチに駆けつけたのが、東京大学大学院で機械工学を修め、別の会社に就職していた大坪さんでした。

就任早々、自社を徹底的に分析した大坪さんは、「品質の高さ」こそが強みであることに気づき、切削加工の技術をさらに伸ばしていくことを決意。数年をかけ、JIS9100(航空宇宙品質規格)などを取得していきます。

Image: Mugendai(無限大)

さらに、「製造現場の立場から、設計段階での提案をしたい」と開発部を創設。これには、大坪さんご自身が前職で研究開発に携わっていたこと、および同社を「研究開発型」の町工場にしたいという思いがあったからだそう。

努力の甲斐もあり、今では航空機、高級時計など、広い分野に製品を提供。背骨の損傷や変形等に対応する「脊椎インプラント」といった医療機器も手掛けているといいます。

追いかけるのは量より質。町工場のビジネスモデルから脱却できた理由

現在もネジを主力製品としている同社ですが、スマートフォンに代表される現代の家電製品にネジを使うものが少ないなど、その需要は年々減少しているといいます。

そこで大坪さんが熟慮し、生き残りのために出した答えが、少量でも高い品質が求められる部品の製造でした。

技術力の高い同社にとってまさに得意分野ですが、体積が小さいことは輸送コストの面でも優位性があるそうで、すでに時計の精密部品などを本場スイスに輸出しているといいます。

Image: Mugendai(無限大)

伝統と経験に頼り過ぎていたきらいがあった、町工場のビジネスモデルからの脱却について、大坪さんは以下のように語っています。

多品種少量でも利益を生むためには、製造方法の効率化が必須です。「高い技術力」というと1人の神の手を持つ匠の技を想像する人もいますが、そうした昔ながらの町工場のモデルは、後継者がいなくなると継続できません。この問題の解決には、金型製造にITを導入した前職の経験が生きました。

その他にも、自社マーケティングのために音楽レーベルまで立ち上げてしまったという、まさにドラマを地で行く同社の躍進は、Mugendai(無限大)より続きをお楽しみください。

Image: Mugendai(無限大)

Source: Mugendai(無限大)