『あなたとあなたの大切な人を守る 捜査一課式防犯BOOK』(佐々木成三 著、アスコム)の著者は、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課警部補。

2017年に退職するまで埼玉県警に20年以上勤務し、うち10年間は埼玉県警察本部刑事部捜査第一課で巡査部長を5年、警部補を5年務めたという実績の持ち主です。

注目すべきは、そんな立場から“日本の安全”について警鐘を鳴らしている点。

日本は安全悪にだというイメージが強いかもしれませんが、必ずしもそうとは言いきれないというのです。

たしかに諸外国と比べると、治安は良いほうです。 殺人や強盗といった凶悪犯罪の発生率が、極めて少ない国のひとつです。

しかし、凶悪犯罪に発展しないだけで、 実は、盗まれる、襲われる、だまされるといった犯罪は 日常的に繰り返されています。その数、年間で約75万件。 1日2000件を超える事件が起きているということです。(「プロローグ」より)

いわば、いつ自分が事件やトラブルに巻き込まれても不思議ではないということ。

ただしそれらの犯罪は、防犯テクニックを知っていれば防げるものばかりでもあるのだといいます。

そこで本書では、著者の刑事としての経験と知識をもとにした116種もの“すぐに役立つ防犯テクニック”を明らかにしているわけです。

きょうはPART 1「あなたの家が狙われている」のなかから、不在時のリスクを減らすための方法をご紹介することにしましょう。

Pushあなたとあなたの大切な人を守る 捜査一課式防犯BOOK

1,430円

外出中に侵入されないために①

泥棒は、果たしてどこから侵入してくるのでしょうか?

意外なことに、約半分は玄関から堂々と入ってくるのだそうです。その原因は、カギのかけ忘れ。

当然のことながら、玄関を無施錠の状態にしておく以上、泥棒に「お好きにどうぞ」といっているようなものであるわけです。

とはいえ支度に手間取って慌てていたり、心配ごとに気を取られていたりすると、玄関の施錠はつい忘れてしまいがちでもあります。

だからこそミスを防ぐため、カギをかけると色が変わったり、メロディが流れたりするグッズを使うことも考えるべき。

しかし、まずは「カギをかけたら指差し確認」を習慣にすることが大切だといいます。

なお泥棒は、もしカギがかかっていたとしても侵入を試みるものでもあります。そんな泥棒が最も気にするのが、カギを開けるまでの時間。そのため、泥棒に2つのカギを開けさせる手間を与えるだけで、侵入されるリスクは低くなるのだとか。

泥棒は「侵入に5分以上を要せばあきらめる」というデータもあるそうで、“1ドア2ロック”は理に叶っているのです。

玄関のドア枠とドアの隙間があいていると、そこにバールを差し込んでドアをこじ開けたり、針金を差し込んでドアの内側にあるつまみを回転させたり(サムターン回し)して侵入してくる泥棒もいるそう。

そのためプレートとサムカーンカバーをつけて、侵入を防ぐことも大切。(20ページより)

外出中に侵入されないために②

泥棒は手当たり次第に空き巣を試みるわけではなく、下見を繰り返し、成功しそうな家にしっかりと狙いを定めて犯行に及ぶもの。

自宅に誰もいないことがわかっているからこそ、堂々と侵入するわけです。

ところで泥棒は、狙いをつけた家を忘れてしまわないように、家族構成や生活習慣、防犯対策などを数字や記号で書き残すことがあります。

それが、いわゆる「マーキング」。もし表札や郵便受け、門扉といった玄関ドアの周辺などに、記憶にない数字や記号を見つけたら、すぐに消す必要があります。

マンションやアパートの場合、2階以上の部屋なら安心だと思いがち。

ところがそんな部屋でも、ベランダのすぐそばに電信柱、樹木、カーポートなどがあれば、簡単に侵入できてしまうのが泥棒。

特に、電気工事士が仕事で登ることがある電信柱は比較的登りやすく、そばの部屋は狙われやすいのだそうです。

そこで賃貸物件を探す際には、その点にも注意を向けることが大切。

加えて賃貸物件を探すときは、防犯システムの有無も重要。マンションの入り口や玄関に防犯カメラがあるかないか、インターフォンには録画機能がついているかなどが大きなポイントになるということです。

そうした備えがあれば、侵入されるリスクは当然低くなるからです。理想は、最新の防犯システムが設置されている物件。(22ページより)

一戸建てを泥棒から守るために①

泥棒に最も狙われるのは一戸建て住宅。

誰にも気づかれずに侵入でき、さっと逃げられるからです。逆にいえば、予期せぬことが起きれば、泥棒は焦って諦めるわけです。

侵入の4原則は、①目(人の目)、②光(センサーライトなど)、③音(警報)、④時間(侵入に5分以上かかること)。泥棒から自分の家を守る最強の方法は、警備会社の防犯システムを導入すること。

加えて、防犯システムが備わっていることを外部にアピールすることも重要。それだけで抑止力になるからです。

泥棒が下見をする際には、必ず防犯システムの有無を確認するもの。

ということは、泥棒にわかるように防犯システムを設置するだけで、それが抑止力になるということです。

いずれにしても空き巣に遭わないためには、泥棒を家のなかに入れないことが基本。そのため、侵入する前に威嚇して撃退するということも有効だそうです。

効果的なのが「音」なので、人感センサーや開閉感知センサーつきのベルやスピーカーなどを利用し、大音量で泥棒を驚かせることもお忘れなく。(26ページより)

一戸建てを泥棒から守るために②

先にも触れたように、泥棒がとにかく気にするのが、仕事にかかる時間。

手間取れば、たとえ不在宅を狙ったとしても近隣住民に気づかれて通報されるリスクが高くなるからです。

泥棒に「このカギは時間がかかる」と瞬時に思わせることができるのが、警視庁や国土交通省などの官公庁と民間企業が共同で開発した「CP部品」。

CPマークがあるだけで、一定の基準をクリアした防犯性能の高い建物部品だということが、泥棒にはわかるのだそうです。

泥棒が一戸建てを狙う場合の侵入口は、約60%が窓。防犯カメラや人感センサーなどで分厚く守られている玄関よりも手薄になりがちなので、狙い目であるわけです。

特に、トイレや風呂場などの小窓は要注意。人が入れる大きさなら、窓の外側から面格子をつけておくことが大切だといいます。

ゴミ捨てのわずかな時間も、泥棒にとっては大チャンス。カギをかけずに出てきて、ゴミ捨て場で会った誰かと会話でもしようものなら、「泥棒に入ってください」といっているようなもの。

ゴミ捨てのときも、しっかりカギをかけることが大切なのです。(28ページより)

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実際に被害に遭わない限り、犯罪の恐ろしさは実感しづらいものかもしれません。とはいえ、「自分は大丈夫」だと断言できる根拠はどこにもないはず。

つまりは、日ごろからの備えが大切だということです。そういう意味からも、本書をぜひとも参考にしたいところです。

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Photo: 印南敦史

Source: アスコム