寺島しのぶ、自分にしかできない作品に

寺島しのぶ、自分にしかできない作品に

米国の脚本家ジョン・ロビン・ベイツが手掛け、ブロードウェイでも評判になった舞台『アザー・デザート・シティーズ』。東京・大阪で7月から始まる公演に先立ち、主演の寺島しのぶが大阪市内で会見を開いた。

本作は2004年、イラク戦争時の米国のクリスマスイブを舞台に、ある家族の危機を描いた物語。長女の追求によって、両親が抱える衝撃的な事実が明らかになる会話劇で、問題の核心に迫るため、ブルックや母親、家族との間で丁々発止の会話が繰り広げられる。毒々しくてユーモアあふれる会話はベイツをはじめ、米国のユダヤ人作家の特徴だ。「これを言ったらダメという禁止ワードはどの家族にもありますが、私自身シニカルな部分がありますし、家族だからこそ、傷つけたくなってしまう。肉親というのは死ぬまで切り離せないし、切り離さなかったことによって、自分が生きていられる瞬間があったりするんです」と寺島。

演出を担うのは、気鋭の演出家・熊林弘高。稽古場には、稽古するシーンに登場する出演者しか入れない。寺島は、「熊林さんいわく『稽古場は役者が恥をさらす場だから、あえてほかの人に見せる必要はない。完成したときに見せればいい』と。そういうやり方は私にとって非常に心地いいですね」と話す。舞台や映像で第一線を走り続ける彼女。「この仕事、絶対に代わりはいるんです。私がやらなくても。でも、完成したとき『これは寺島さんにしかできなかったよね』と言ってもらえる作品に出たい。その感覚を研ぎ澄まして、これは逃したくないという作品を今後も選びたいです」と、凛とした表情で語った。大阪公演は7月29日〜31日に「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」(大阪市北区)にて。チケットは9500円ほか、各プレイガイドにて発売中。

取材・文/米満ゆうこ

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