レッチリ、と言ってもペッパーズではなくてパイパーズ。この秋に単独来日公演をおこなうことが決定した「もう一つのレッチリ」ことレッド・ホット・チリ・パイパーズ、とは一体何者なのか。

2019年の『フジロックフェスティバル』において日本初登場にしてグリーン・ステージと前夜祭に出演し、朝の情報番組『スッキリ』でも生パフォーマンスを披露して大きな話題を集めたパイパーズ。名前だけを聞けばパロディ・バンドのようだが、2002年に英国のスコットランドで結成されたパイパーズは、すでに20年近くのキャリアを誇る実力派だ。

その名の通りに英国を象徴する民族楽器であるバグパイプ(正確にはグレート・ハイランド・バグパイプ)をメイン楽器としてフィーチャーし、誇り高きタータンチェックのキルトに身を包んでロッキンかつダンサブルな音を奏でる彼らは、欧米諸国の大型野外フェスはもちろん、ワールドツアーを行っても世界各国で軒並みソールドアウトを記録する人気を不動のものとしている。

著名人ではポール・マッカートニー、エド・シーラン、ユアン・マクレガー、そしてエリザベス2世までもが彼らに絶賛の声を寄せているといえば、その大物ぶりがよくわかるだろう。

バグパイプといえば、アイルランドではイーリアン・パイプス、スペインのガリシア地方ではガイタなどと呼ばれ、ケルト音楽や欧州トラッドで多用されるのを耳にする機会が多いが、パイパーズの音はより親しみやすくポップ。

またオリジナル楽曲に加えて、クイーンの『ウィ・ウィル・ロック・ユー』、ディープ・パープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』、あるいはアヴィチーの『ウェイク・ミー・アップ』といった問答無用の大ネタ曲から、コールドプレイ、スノウ・パトロール、ジャーニーなどの新旧ロック・アンセムのカバーまでも数多く得意レパートリーとしており、大盛り上がりのステージとなるのは間違いない。

コロナ禍によって洋楽のライブを楽しむのがしばらく困難となりそうななか、祝祭感に溢れた彼らの「バグロック」が鳴り響く貴重な夜を心待ちにしたい。来日公演は10月8日に大阪「梅田クラブクアトロ」(残りわずか)、9日に東京「恵比寿リキッドルーム」(完売)でおこなわれる。料金は7200円。

文/吉本秀純