神戸市西区と北区にまたがる「神出(かんで)山田自転車道」。そのコースに里山地域初となる「BE KOBE」モニュメントが完成したことを、神戸市が6月24日の市長定例会見で発表した。

この自転車道は、神戸市西区の神出町と北区の山田町をつなぐ約18kmのサイクリングコース。1990年の開通以来、メンテナンスされず荒廃していたため、2019年秋に舗装や看板などがリニューアルされた。

その一環として「つくはら湖」の「つくはら大橋休憩所」(神戸市北区)に設置されたモニュメントには、里山を感じさせる杉材を使用。御影石でできたステージの溝には自転車を差し込むことができ、サイクリストが愛車と一緒に写真撮影できるのがうれしい。

「神戸は今まで里山のイメージを押し出してこなかったが、今後はもっと訪れてもらえるように情報発信したい」と話す久元喜造神戸市長。実は久元市長は、里山がお気に入りなのではないかと筆者はにらんでいる。

そもそもこの自転車道は、久元市長がこのエリアを通った際に「この廃墟のような道は何なのか」と偶然発見したことが発端となり、再整備されたもの。この件以外にも定例会見で里山の話題が出ることは少なくないし、なんと2016年には、高度経済成長期の里山を舞台にした小説『ひょうたん池物語』を著しているのだ。

神戸といえば「海、港」「おしゃれ」「六甲山」のイメージが強い。里山地域である北区・西区に住む人が「そこは神戸じゃない」と友人同士の間でからかわれるのは「神戸あるある」だ。西区に住む筆者としては、市長が里山エリアを気にかけてくれるのはありがたい。

ではモニュメント完成について、市民はどのように反応しているだろうか。SNSでは「(サイクリストだけではなく)ライダーも集まりそう」「しばらく行ってなかったから今度行こうかな」という歓迎の声の一方で、「誰が見るんだよ」「景色だけでいい。くだらないことに予算を使わないで」と厳しい声もあり、賛否両論だ。

久元市長は、「withコロナの時代、外で距離をとって体を動かして活動することが大切。たくさんの方にサイクリングを楽しんでいただきたい」と里山地域の魅力発信に期待を寄せている。モニュメントは6月30日から供用を開始。また秋頃には、シェアサイクルを試験導入予定。

取材・文・写真/合楽仁美