大阪府は8月5日、初期段階から新型コロナウイルス感染症患者を受け入れてきた「大阪はびきの医療センター」(羽曳野市)の研究により、イソジンなどポビドンヨードによる
うがいが、唾液中のコロナウイルスを低下させる効果があったことを発表。府民に対し、このうがい薬でのうがいを呼び掛けた。

今回の研究は、同医療センターを主体に府の宿泊療養施設で療養する新型コロナの無症状・軽症者に対し実施されたもの。

同施設で受け入れた陽性患者41名にポビドンヨードによるうがいを1日4回実施し(起床時、中食前、夕食前、就寝前)、朝起きてうがいをする前の唾液を検査。結果、ポビドンヨードを使った人はしなかった人よりもウイルス陽性率の減少が早く、4日目には約4分の1という結果となった。

研究を担当した同施設の松山晃文・次世代創薬創生センター長は、海外で報告されている試験結果をあげ、「ポビドンヨードはコロナの殺菌作用が証明されている」と説明。

さらに、「コロナは舌の上で増えるのがかなりの特徴で、これが唾液腺の唾液と絡み合い、飛沫によって人に感染させる。また、唾液から肺に行き誤嚥性肺炎を起こさせる。この研究の究極の目的は、軽症患者でリスクの高い方の肺炎を防ぎ、重症化されないようにすること」と話した。

今後、宿泊療養で同意を得られた軽症者を対象に「1000人にうがいを試み、第1波と比較してうがいの効果をさらに調べる研究をおこなう」と松山センター長。うがいの仕方について、「4mmlのうがい薬を60mlの水で薄め、1回約20mlで3回。最初は舌を中心にぷくぷくと、舌に塗りたくるような感じ。残り2回はガラガラと吐き出す」と説明した。

41人という小規模な研究結果にも関わらず、このタイミングで発表した理由について吉村洋文知事は、「今現在も感染者が増え、特効薬がないなかで、どこでも手に入り、副作用のないうがい薬。これにコロナの重症化を予防する効果があるのであれば、命を救うことができる。何もしないよりも、試していただくメリットの方が多い」と説明。

しかし発表された段階で、街なかではポビドンヨードを含むうがい薬を買い占める事態となり、市場に混乱が生じているのは事実だ。

混乱を知った松井一郎市長は、「こういう形で発表すると品薄になることは想定していた。うがい薬はマスクと違い国内製造。府の健康医療部から政府に対し品薄になることを予想して、補助を打ってでもラインを増強することができるよう話ができている」と説明。

「必要な量だけ必要なときに購入すればお手元に届くので、無理な買占めはしなくていい」と強調したが、混乱下でSNS上では「朝から薬局へ行ったがイソジン売り切れ」という一般の声に加え、「抗がん剤治療の指示療法として使う他の含嗽液にも飛び火して品薄」といった医療関係者からの切実な投稿も見られた。

なお、府ではこの研究結果を受け、発熱など風邪に似た症状のある人及びその同居家族、接待を伴う飲食店の従業員、医療従事者や介護従事者を対象に、8月20日までをうがい強化期間として取り組むという。

取材・文・写真/岡田由佳子