外出自粛が続く現在、オンライン飲み会などインターネット回線を使った新しいコンテンツが続々と登場。そんななか、京都の次世代ホテルとして人気の「HOTEL SHE,KYOTO」(京都市南区)で、オンライン没入型サスペンス『泊まれる演劇 In Your Room「ROOM 101」』が、5月1日〜6日にかけて開催された。

同ホテルで6月に初演を迎える予定だった、宿泊×演劇のイマーシブ(没入型)シアター『泊まれる演劇』。当初はホテルの建物全体を舞台とし、客自身が物語の一役となり、真夜中のホテルを彷徨い歩く演目を予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い公演延期に。

そこで今回、参加者の自宅のパソコン・スマートフォンに舞台を移し、映画やドラマなどこれまでの映像コンテンツとはまったく異なる映像体験が誕生した。

キャスト(演者)はリアルタイムで建物内を移動。参加者は客室からの中継やフロアに仕掛けられた監視カメラの映像を組み合わせることで、まるでホテルのなかを歩くように、自由に視点を変えながら物語を楽しむことができる。

また各客室では、キャストが実際に参加者に話しかけてきたり、質問を投げかけてきたりとリアル感満載。登場人物との会話や、自宅やメールボックスに届く謎の招待状を手掛かりにして、物語の裏に隠された真相に近づいていく「参加型サスペンス作品」となっている。

筆者も家のパソコンで体験したのだが、「自分の家が舞台になっている」ような不思議な感覚に。現実と物語の世界が入り混じり、あっという間に引き込まれ、終わった後もなかなか物語の世界から出てこられなかった。なんだこの初めての体験は・・・ということで、同イベントプロデューサーの花岡直弥さんをオンライン取材で直撃しました!

「エンタメの幅が広がる、新しい可能性を感じた」

──体験させていただいたのですが、本当に面白かったです・・・! 今回はなぜ開催に至ったのでしょうか?

もともとホテルを使った没入型コンテンツとして『泊まれる演劇 MIDNIGHT MOTEL』を6月に開催予定していたのですが、昨今の状況から延期せざるをえなくなり、「それならばオンラインでできないものか」と4月に延期発表をしてから怒涛の勢いで企画しました(笑)。当日ギリギリまでリハをして、やっと完成してお見せすることができました。

今回の企画は、「MIDNIGHT MOTEL」の序章の物語です。ホテルが舞台というところは変わらず、本編で登場する役者さんがでてきたり、本編に繋がる大事なキーワードがでてきたりします。実際泊まる予定のお部屋の様子もお見せしているので、いつかホテルで開催されることになったときに初めての人はもちろん、今回のコンテンツを体験した人はさらに楽しんでもらえるよう作り込みました。

──実際、私もホテルでの開催がより楽しみになりました。今回特にこだわったポイントはどんな点でしょうか?

「オンラインでしかできないこと」にこだわりました。Zoomの機能だけでなく、LINEやツイッターなど、パソコンで見ているからこそアクションできるものでどれだけ物語に引き込めるかがポイントでした。没入型のコンテンツは今やかなり増えてきていますが、空間を生かしながらオンラインの没入型コンテンツは参考にする事例がなかったので企画は本当に大変でした・・・。ですが好評の声を多くいただき、うれしく思っています。

──休業中のホテルとお仕事が厳しい役者さんが掛け合わさるという社会性がありましたね。オンラインでのエンタメの可能性が広がったなと感じました。

そうですね。良いコラボレーションができたと思っています。今回誰もが大変なので無料にはせず、チケットは3500円に設定しました。オンラインのコンテンツにしては高額ですし、そこまで売れないだろうとおもっていたら、1時間で360枚が完売しまして。追加公演希望の声が多かったので、25時からのミッドナイト公演を追加して計480人の方にご参加いただきました。求めてくれていることが非常にうれしかったです。

──すごいですね!

このオンラインでのコンテンツにより、コロナが落ち着いてもエンタメの幅が広がると思います。これまで土日に劇場でしかできなかった舞台が、見る人は仕事終わりに家でリラックスしながら見れるようになったり、役者さんも場所にとらわれなくなったことでバイトと両立しやすくなったり、新しい可能性が広がるのではないでしょうか。

──今後がとても楽しみです。次回はいつおこなう予定なのでしょうか?

次回の公演は6月中におこなう予定です。ツイッターで告知するので楽しみにしていて下さい。実は今回の公演で回収されきっていない謎も残していまして・・・。その謎は、本編で回収する予定です(笑)。楽しみにしていてくださいね。

取材・文/小田切萌