パーティーグッズの鼻メガネが、筋肉隆々の人形に・・・!? その変身ぶりが、「バッファローマンみたい」「天才!」とSNS上で話題に。鼻の形がちょうど「モリっと」した筋肉のようで、めちゃくちゃカッコいい・・・。

こちらを制作したのは、造形作家の安居智博さん。紙で作ったロボット「カミロボ」で世界的な評価を受けている、滋賀県生まれ、京都市在住の有名造形作家です。

このほか、100円ショップで買ったアヒルや鬼のお面、ピコピコハンマーなどを使って全身が動く人形を作っている安居さん。「異素材カミロボ」と呼ぶその作品たちの作り方が気になる!というわけで、お話をうかがいました。

──安居さんの鼻メガネの人形、面白いうえにめちゃくちゃ強そうですね!

ありがとうございます。「ちょっとひと笑いしてもらいたい」という想いで作っているので嬉しいですね。

──「鼻メガネ」の作品づくりでこだわったのはどのような点でしょうか?

パッと見の第一印象で「鼻メガネ」で作られていることが分かるように、胴体中央に配置した鼻メガネがハッキリと認識できるデザインで全体をまとめる、ということを意識しました。

駄菓子屋で買ってきた「鼻メガネ」20個を細かく切って、針金でつないで全身が動くようにしているんですが、人体部分に使える肌色のパーツは「鼻」だけなので、鼻をどうカットしてどう繋いだら人体のプロポーションになるかを試行錯誤するのに時間がかかりました。

──計算しつくして作られているんですね・・・! そもそも「異素材カミロボ」を作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

日用品や駄玩具で作るロボットの原点は、小学生の頃から作り続けている紙工作「カミロボ」になります。

カミロボは、小学生の時に考えた針金による関節可動の仕組み「ヤスイ締め」の構造を使って作っているのですが、このヤスイ締めを使ったら紙以外の素材でも全身が動かせるロボットが作れるのではないか、と数年前に思い立ち、そこから「異素材カミロボ」をスタートさせました。

──異素材のロボット作りで最も苦労するのはどんな点ですか?

たとえば、切りにくい素材や、曲げにくい素材、接着剤が効かない素材など、素材の特性が毎回違うので、それぞれの特性に合わせてデザインを構築していくのが難しいと感じています。

ある時期からは、作る前にイメージした完成形に強引に持っていくのではなく、素材の特性を知って、素材が行きたがっている方向にこちらが合わせながら形をまとめていく・・・という武芸の達人のような姿勢をイメージしながら(笑)、作るようになりました。

──達人技ですね(笑)。ちなみに一般人もチャレンジできますか? むずかしそう・・・。

できると思いますよ。実際、僕の作品に刺激を受けて、ピコピコハンマーでロボットを作った子どもさんから画像が送られてきたことがありました。

──現在SNSで発表している作品の実物を、実際に見てみたいです。

秋に京都のギャラリー「GALLERY DAIMON」(9月26日〜10月4日/京都市北区)で個展をします。そのときに日用品系・駄玩具系の作品は全部展示します。作品を掲載した作品集冊子の販売も予定しています。

──楽しみです! ・・・もし良ければ、現在構想中のロボットをこっそり教えて下さい。

常にいろいろ気にしていますが、今はシャボン玉の容器が気になっています。SNSでまた発表するのでお楽しみに。

また、7月23日からヘソプロダクションがプロデュースする遊びながら楽しかった旅を思い出せるよう開発したフィギュア「遊べるミニチュアシリーズ」で、安居さんが造形・製品企画を担当した新作が登場。

川下りを思い起こす「保津川下り やじろべえ」と湯呑のフチにのせるとあの名所が再現できる「渡月橋 はしわたし」の2種類(各1200円)で、「いろいろ考えたなかでもっともバカらしい作品が商品化された」そう。

おうち時間が増えそうな夏、安居さんの作品からインスピレーションを得て、くすっと笑えるようなものづくりに挑戦してみては?

取材・文/小田切萌