「近くまで来たので久しぶりに寄ってみた。相変わらず可愛いケーキがいっぱいやなー」という大阪のバー「bar peaky」(@PeakyBar)さんのツイートが1.8万超いいねで話題に。投稿にはケーキがずらりと並んだショーケースの写真が貼られているのだが、よく見ると「野ざらし」「蟲の飼育セット」・・・え、ケーキのネーミング!?

墓場をモチーフに骸骨や卒塔婆(そとば)などが乗ったムースや、蟻が乗ったティラミスなど超独特なスイーツの数々。なんだこれ、めっちゃ楽しそう・・・興味津々で、大阪・塚本にあるパティスリー「菓子工房シュクルリ」(大阪市西淀川区)へ。店主・井藤さんに話を訊いてきました。

──ほかのケーキ屋さんでは見られないような、独特すぎるスイーツの数々にとても驚きました。以前からこういったスイーツを作っているのでしょうか?

2018年にオープンしたんですが、最初は普通のケーキ屋だったと思います。でも、せっかく自分の店を持ったので、「好きなこと、やったろう!」と思い、アニメや漫画、ファッションなどカルチャーが好きな自分の趣味や持ち味を出していって、今に至ります。

あと、特に以前はウェディングのケーキを作っていたので、かわいらしいものや写真映えするようなケーキを作るのが得意だったというのもあります。

──斧が刺さった「脳みそレアチーズケーキ」、バイキンのクッキーが乗ったカプセル型の「あったらいいな コロナナクナーレ」・・・見た目もネーミングもシュールすぎる! ショーケースのなかがカオスですね。

そうなんです(笑)。元々ハロウィンが1番好きなので、特に今の時期は気合いが入っています。常連さんたちは、「『脳みそレアチーズケーキ』があるってことはハロウィンか!」と、脳みその形のケーキで季節を感じておられますね。

──季節の感じ方が独特すぎます(笑)。話題になったケーキ「野ざらし」ですが、こちらもハロウィン限定商品なのでしょうか?

本当はこれお盆用の商品だったんですが、ハロウィンは西洋のお盆やろ!ってことでお盆と今の時期に出してます。近所のお坊さんも買ってくれるんですよ(笑)。「不謹慎ですか?」って聞いたら、「大丈夫です!」って答えてくれて、さらには卒塔婆の意味など教えていただき、ケーキ作りの参考になっています。

──お坊さんからケーキ作りのヒントを! お客さんもとてもユニークなんですね。

そうなんです。ケーキ屋ってたくさんあるので、僕の趣味や味覚に合うお客さんに来てもらえたらと思ってやっています。「あんたのセンス好きやわ〜」と喜んでくれるお客さんの言葉がうれしいです。売れる商品を作るというより、「オモロイ!」を第一にこれからもいろいろと作っていきたいです。

ツイートをした「bar peaky」の店主さんも同店の常連だそうで、「売れるからではなく、好きだから作っているところが好きですね。ショーケース見て楽しいって思える感覚は童心にかえった気持ちにさせてくれますよ! 味もすごく美味しいので一度味わってみてほしいです」とコメント。

また「どんな無茶な依頼も相談に乗ってくれるどころか発想が斜め上で返ってくる」そうで、数年前には全面に般若心経をチョコで写経したケーキや、スーパーファミコン好きの店主さんの誕生日に本体とカセットが別、しかもカセットが挿せるというケーキを作ってくれたとか(当たり前だがめっちゃ大変なので無茶振りは要相談で!)。

「菓子工房シュクルリ」はJR塚本駅から徒歩約5分。営業時間は昼11時〜夜7時。

取材・文・写真/野村真帆