おっさん、おばさんに朗報。森下仁丹が「第四新卒」を採用するワケ

米国育ちで元ANA国際線CA、さらに元ニュースステーションお天気キャスターからの東大大学院進学と、異例のキャリアを持つ健康社会学者の河合薫さんのメルマガ『デキる男は尻がイイ−河合薫の『社会の窓』』。今回は、52歳から現在の会社に飛び込み、60歳を過ぎてもなお新しい挑戦を続ける森下仁丹・駒村純一社長をクローズアップし、年齢を重ねても輝き続ける人の共通点「やる気SOC」について考えます。

他人をバカにすることで生きる男たち

評価され続けている人、勝ち続けている人、モテ続けている人、かっこ良く生き続けている人にあって、他人をバカにするジジイたちに欠けているモノ。

それは「SOC=Sense Of Coherence」。そう「SOC」です。

直訳すると、首尾一貫感覚。平たくいうと、人生のつじつま合わせが出来る力、です。

SOCは、人と環境との関わり方次第で高められる内的な力です。

誰もが認める成功者、勝ち組、レジェンドと呼ばれる人たちは、例外なくSOCが高い。

彼らの仕事満足感や人生満足感はとても高く、健康状態も良好で、いかなる困難も乗り越える強さを持っています。

その高いSOCの持ち主のひとりが、大阪に本社を置く企業のトップです。

今年3月。昭和のオッサンたちの常備品だった「ひとつぶのんだら スーッとネ ジン ジン ジンタン ジンタカタッタッタタ〜」の仁丹を製造する森下仁丹が、“第四新卒”の採用をスタートさせました。

“第四新卒”とは、おっさん、おばさんのこと。森下仁丹の定義によれば「社会人としての経験を十分積んだ後も仕事に対する情熱を失わず、次のキャリアにチャレンジしようとする人」で、求められる資質は「やる気」のみ!

といっても、「あの人、やる気だけはあるんだけどなぁ〜」と周りから眉を潜められるやる気ではダメ。まさしく「やる気SOC」が、求められていたのです。

実は森下仁丹の駒村純一社長も、やる気SOCの持ち主です。

駒村さんは元商社マン。イタリアに駐在した時には現地の出資先の社長も経験するなど、まさに順風満帆のキャリアを歩んできました。

ところが、「このままではつまらない人生になってしまう」と感じ、一念発起。

52歳で商社を退社し、「まだまだ自分は一線で働きたい」という思いだけで辞めたそうです。

転職先も決まってないのに一歩踏み出したのは、駒村さんが「人格的成長」というリソースを持っていたからです。

無職となり5ヵ月が過ぎようとしたとき、「経営状況が悪化している大阪の老舗企業が、経営立て直しの人材を探している」と知り合いからオファーが届いた。それが森下仁丹でした。

「私には、そうした企業を黒字転換させてきた経験がある。自分のキャリアが生かせるかもしれない」

そう考えた駒村氏は、執行役員として入社。

しかし、現実は甘くありませんでした。待ち受けていたのは「豪雨」。

暴風が吹き荒れました。

中に入って知った会社の現状は想像以上に悲惨で、売り上げはピーク時のわずか10分の1。

経営の立て直しを進めようとしても、「外から来たやつが何を言ってやがる」と反感を持つ人が多く、周りは敵ばかり。

そこで氏は、「社内に蔓延する『つぶれるわけがない』という空気を変えるには、新しい風を入れるしかない」と、外部の人材を積極的に起用し、管理職に抜擢。当然ながら、生え抜きの社員は猛反発。

それでも氏はやり方を変えませんでした。

「新しい人が来て結果を出していけば、それが刺激になる。会社が本気で変わろうとしているという危機感を持ってもらうためには、まず行動で示すことが大切でした。改革には痛みが伴う。その痛みを避けていては、前に進むことはできない」(by 駒村氏)

自分を信じ、中途採用を広げ、部長職の平均年齢も40代と大きく若返り、2006年には社長に就任。本社の工場敷地も売却し、財務状況を健全化させ、次のチャレンジをするための下地を整えた。

その結果、生まれたのが現在の経営の柱となっている、独自のシームレスカプセル技術。10年間で売り上げを倍にし、今に至ったのです。

「このままではつまらない人生になってしまう」という感覚は、まさしく「人格的成長」です。駒村氏は、商社マン、社長という属性を捨て、まる裸の自分に賭けました。「会社を絶対に再生できる」と自分に内在する力を信じ、行動したのです。

おそらく駒村氏が語っていない、「苦悩」や「情けない自分」との葛藤もあったはずです。すべてのサクセスストーリーは「後付け」で、そこには決して語られない、あるいは本人でさえも忘れてしまった「かっこ悪い自分」が例外なく存在します。

それでも彼は踏ん張り通した。社外からきた駒村さんを信じ、駒村さんの可能性に賭けた人が支えとなっていたのではないでしょうか。

周りが「敵」ばかりでも、数少ない応援団がいれば踏ん張れる。

彼らがいたからこそ、駒村さんも自分に課せられた仕事の質を必死であげるべく努力できたのだと、私は確信してます。

結局のところ、目の前の仕事の「質」を高めるために励む以外、前に進むことはできません。

「自分の成果物」の価値を上げるべく邁進する。

「自分にできること=学び」に励む。とにかく動く。

アレコレ考えずにとにかく動く。

自分をどうこうするのではなく、目の前の仕事を「少しでもいい仕事」にすべく努力する。

・・・・・・その結果、人格的成長が強化されていくのです。

続きは「最終回」でお話しましょう。

image by: Wikimediacommons(Tokumeigakarinoaoshima)

出典元:まぐまぐニュース!

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