「信州」という名への異常な愛情。長野県内の「特殊な事情」とは

長野県民、特に中南信の方々は「信州」という呼び方に愛着を持っていることで知られています。逆にこれらの地域では「長野」という名称自体を避けるような動きもあるそうですが、一体なぜなのでしょうか。他の県にはあまり見られないこのような現象の理由が、信州の魅力を伝える無料メルマガ『安曇野(あづみの)通信』で詳しく紹介されています。

「信州」という呼び方

私が住む長野県は別名、信州という。別名というのはなんだかおかしいのだが、わが長野県においては、ひんぱんにこの信州といういい方が登場する。特に県都・長野市を離れて遠い中部(中信)、南部(南信)において、その傾向が強いのではないかと思う。

昔々の呼び方である国の名前が、これほど今も生きていて常時・ひんぱんに言い交わされている県は、信州・長野県をおいてほかはないだろう。信州といういいかたが、とても呼びやすくてしっくりするのだろう。甲州や上州などのいい方も残ってはいるのだが、その中では断然一番に、マスコミはじめ、国中の人々にも広く愛着を持って呼ばれている、使われていると言っていいだろう。

長野県内では、信州といういい方がすっかり生活に密着している。江戸時代から使われ、「長野県」よりずっとその歴史が長いこともむろんあるだろう。これは想像だが、昔の国の名・信州を頭文字等に取り入れた企業・団体・組織は相当数あると思われるが、これはきっと国内一ではないか。それほど「信州」は、県民・信州人の気候・風土・気質を表すのに相応しく、ぴったり・密着している証左でもあるだろう。

もうひとつ、長野県内の特殊な事情もあるだろう。これは私の独断と偏見的推測も加わるが、若い世代にはピンと来ないだろうが、長野県内では、明治の昔から、県庁所在地の松本移転、分県等、県会での紛糾、放火騒ぎやらひとときは血を見る抗争を長く続けて来た。故に中南信には県の名前に「長野」が付いていること自体良しとしないムードも伝統的にないとはいえないような…。

だから中南信に作る公共の施設等に「長野」の名を付けるなどはまかりならぬというような、だから施政者も余計な摩擦を生まないよう信濃とか信州とかを使ったケースが昔から多いのである。たとえば県庁所在地の都市名を県名にしている県の国立大学で県名を大学名にしていないのは、青森県とともに唯一の県ではないだろうか。そう、大学の本部は松本にあって、信州大学である。

image by: WikimediaCommons(Tomatoa)

 

 

『安曇野(あづみの)通信』

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発刊以来10年、みすずかる信濃はアルプスの麓、安曇野を中心に信濃の光と風、懐かしき食べものたち、 野の花、石仏、植物誌、白鳥、温泉、そしてもろもろ考現学などを、ユニークな(?)筆致でお届け!

出典元:まぐまぐニュース!

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