なぜ日系企業は結局、中国・大連に「出戻り」したがるのか?

中国でビジネスを経験した日本人ビジネスマンの中には、かれらの時間感覚の乏しさや、あまりに自己中心的な行動に辟易した方も多いでしょう。しかし、メルマガ『中国大連ビジネスリポート』の著者・高瀬正博さんは、「そんな中国人も、日本式の仕事術を取り入れ、変わりつつある」と指摘し、たとえ人件費があがっても日系企業が中国に拠点を置くメリットを力説しています。

時を刻みながら発展する大連

16年間を中国・大連市内で暮らしてきて、この10年で市内のあらゆる場所がみるみるうちに様変わりしてきたのを目の当たりにすると、時の流れの速さとともに、行政の行動力と指導力がそれに伴い、見事なまでに速やかに前進していることに驚嘆するのです。

人が求めていることに対して、兎にも角にも、形さえ作ってしまえばという、そこに、中国式手法があります。

10年持たせなければということよりも、5年でもいいから早く市民の目にさらせ、ということが、前提になっているのでしょうか。

地下鉄1号線、2号線を利用する人の数も多く、その便利さを伺う事ができます。

公共バスを利用すれば全行程、1元(約16円)か2元です。地下鉄の場合は、距離によって違い2駅で4元から順次金額が上がっていきます。それでも今の人たちは理解しつつも、あえて利用しているのです。

10年前あたりには、中国人との約束で待ち合わせをする時、その時間の10分ぐらい前には指定された場所に着くというのが日本人としての常識みたいなものがありました。

その反面、中国人は必ずその時間の後に来ることが多く、ある時電話をして「いつ来るの?」と尋ねると、「馬上、馬上(マーシャン、マーシャン)」(今すぐ、今すぐ)というだけ。時間の観念がまったく無い中国人が多かったのです。

※「馬上(マーシャン)」とは、<今、馬に乗って走っているところだから、もうすぐ着く>という意味です。

時が流れ、現在の20代から40代の人たちは時間に対しての重要性がある程度認識されてきているので、以前ほどとてつもなく、自己本位的な行動が少なくなってきました。特に日系企業に勤める人たちには、顕著に表れています。

そういう人たちの周りにいる中国人も、徐々にそのような行動をとるようになっていくのです。

時間指定のある用事がある場合は特に、公共バスより地下鉄を利用するのです。

大連市民の生活向上も一つの因になるでしょう。

確かに物価は上昇しつつありますが、例えば、16年前のラーメン一杯が2元(約32円)だったのが、今では同じものが6元(約96円)と3倍になっています。他の種類によっては、4〜5倍のものもあります。

物価が上がるにつれ、給料もそれなりに上がってはいきますが、やはり物価上昇のほうが先に動いています

2001年当時の初級IT技術者は、月額600元(約9600円)ぐらいが相場でした。現時点では、置かれた役や会社によっては多少の違いはありますが、当時の技術者に置き換えてみた場合、月額4000元(約64000円)となり、約6.7倍です。PMあたりでは、1万2千元以上ですから日本で暮らすよりも優雅に過ごせるのです。

先日ある日系企業の方からのご要望でお話を伺いました。2015年に大連から他国へ移り大連のときと同じ業務を行っているが、すべてにおいて事がスムーズに進まず、今一度大連に戻りたいという事でした。

大連では、人件費用が大きな問題で今後の事を考え他国へと移ったはいいのですが、技術力、言葉の壁、インフラ等々において、実は大連以上の経費がかさんでしまい、いくら人件費が安く抑えられるとはいえ、浅はかでした、と。

この企業の拠点を再度大連に置くことと、人材等々の諸問題をお手伝いすることになりました。

この事に連係しているのは、製造関連の会社の出戻りがあります。上記内容と同じで、やはり、中国の方が良かったとの感想でした。この製造会社のお手伝いもさせていただきます。

時間が一刻一刻と進むにつれ、その周辺に起こり得る状況の変化も同時に進んでいき、それが徐々に当たり前の世界に映ってしまうのが人間の性なのかも知れません。

日本人が強くなってこそ、日本の国も強くなります。いつまでも弱腰であってはならないのです。

時間とともに薄れゆく日本であってはいけないと思っています。

大連においては、日本人的な仕事術が、今もなお求められ続けているのです。

この先もますます発展し続ける大連を生きている限り追いかけていきたいと筆者は思っています。

image by: MAG2 NEWS(中国・大連市内)

出典元:まぐまぐニュース!

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