老舗駅弁メーカー淡路屋(神戸市東灘区)の陶器のつぼに入った名物駅弁「ひっぱりだこ飯」。先日、このつぼにぴったり合う「ふた」が発売される話題を伝えたところ、読者から多くの反響がありました。「うちにもつぼある」「わが家は3つほど」「やっと梅干し入れにできる」。そんな中、目を引いたのが「関西の家には淡路屋のつぼがあるって本当ですか?」。

出てくる出てくる、つぼの使用例

 「ひっぱりだこ飯」はJR西明石駅の名物駅弁。関西では主要な駅の売店以外にも、デパートの食料品売り場などでも販売されているため、旅行のお供以外にも日常的に入手できます。

 タコつぼを模した立派な容器は、何かに使えそう、記念に残したいと保管する人が多く、SNS投稿や個人ブログなどには再利用方法を披露する画像が多数投稿されています。皆さんの使用例は、割り箸立て、しゃもじ入れ、キッチン菜園、貯金箱など。著名人のSNSでも新幹線の車内で撮ったつぼの写真をアップし「持ち帰りたい」と投稿する人も。

「見た瞬間、再利用を思い付いた」

 ツイッターユーザーの「TONINO」さん(@tonino1222)もつぼを再利用する一人。仕事で姫路市を訪れた際、同駅弁を購入。食後の空き容器を見た瞬間、「飛行機がここから飛び出したら面白いなー」とジオラマ制作を思い付きます。

 制作時間は約12時間。「遠近感や飛び出す感じを表現したくて滑走路の手前と奥で横幅を変えました。飛行機も漫画『エリア88』に登場する輸送機の塗装を再現したので思った以上に時間がかかりました」。

 出来上がった作品のタイトルは「蛸壺の秘密基地」。ツイッターの投稿には「お見事」「センスの塊」などの絶賛の声や、多数の「いいね」が寄せられています。

中の人「さまざまな工夫うれしい」

 淡路屋公式ツイッターアカウント「神戸駅弁 淡路屋」(@awajiya1682)の“中の人”に反響を伝えたところ、「皆さまが工夫されて、さまざまなシーンで利用くださっているのは非常にうれしく感じます」。

 中の人が知る使用例では、飲食店の食材入れ、花壇の囲い、水槽に沈めて魚のすみかなどがあるそうです。

 つぼの第二の人生を見守る中の人は、「ツイッターを中心に、皆様のお声を確認させていただいておりまして、楽しませていただいております」。ユーザーからの味への意見も社内の改善会議で共有しているらしく、「真摯に受け止め、改善につなげております。ぜひ皆さまのお声を頂戴できればと思います」と呼び掛けます。

 新商品「ふた」の売れ行きは「すごい大反響です」。筆者も発売当日、JR神戸駅の売店をのぞきましたが、昼前には当日分が完売でした。

モロゾフにもあった「ふた」

 菓子メーカー、モロゾフ(神戸市東灘区)が1962年に発売したロングセラー商品「カスタードプリン」のガラス容器も関西人の家ではおなじみです。

 ガラス容器は発売から11年後の1973年に導入。割れ防止のための形状変更や軽量化などを繰り返し、記録に残っているだけで計7回の改良を行なっているそうです。

 2017年5月、神戸新聞公式ツイッターアカウントが実施したアンケート「神戸市民の台所にはモロゾフのプリン瓶があるって本当?」では、約7割が「活用している、保管している」。

 使用例を調べると、ジュースやお酒などのコップ、麺つゆ入れ、化粧小物入れなど。阪神・淡路大震災の時、食器棚が倒れ食器が全滅した中、コップがわりに使っていたモロゾフのガラス容器だけは無傷だったというエピソードは地元では有名です。

 2011年にはガラス容器にぴったり合う「キャップ」が登場。「ガラス容器をさまざまな用途にご愛用いただいているお客さまの声から生まれました」(同社)。キャンペーンのプレゼントや、一部店舗での限定販売を行ったそうですが、「現在販売はしておらず、今後についても今のところ未定でございます」。

 空き容器には注意点もあります。「モロゾフのカスタードプリンのガラス容器は耐熱ガラスでも強化ガラスでもありませんので、ご家庭での加熱などによる再利用はできません」(同社)。蒸しプリンや茶碗蒸しなど加熱調理にはNGなのでご注意を。

 2社に共通するのは、顧客からの要望によりふたを作ったという点。専用のふたが欲しくなるほど、空き容器を再利用したい顧客が多いと言えそうです。冒頭の読者からの質問に回答すると、「関西の全世帯…とまでは言えませんが、そこそこあります」。

(まいどなニュース・金井 かおる)