2020年代に入り、時効が撤廃されている未解決事件の解明なるかが注目されている。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は、警察捜査のさらなる「IT化」が進むと指摘した。

 小川氏は「18年から19年にかけて警察の捜査は急加速でIT化してきています。かつての足で稼ぐ捜査から、デジタル化している流れにある。警視庁のSSBC(捜査支援分析センター)がまさにそうです。犯行の前足(まえあし)と後足(あとあし)を、防犯カメラの画像解析と分析によって解明し、容疑者を特定できるようになった」と解説した。

 「前足」とは容疑者の犯行前の行動、「後足」とは犯行後の行動を指す。SSBCは09年に警視庁刑事部に設置され、防犯カメラの画像解析や電子機器の解析、その手口から犯人像を分析するプロファイリングなどを行う。18年10月の渋谷ハロウィーン暴動事件では、防犯カメラなどの画像解析によって、群衆の中から複数の容疑者を割り出すなど、近年、脚光を浴びている。

 警視庁の管内である東京都内で発生した平成の未解決事件といえば、00年12月末に発生した世田谷一家殺害事件がまず思い浮かぶ。昨年12月、犯行に使われた刃物を包んでいたハンカチがフィリピン北部で使われる巻き方だったことが判明したと報じられ、捜査は新たな局面を迎えた。

 1996年9月、海外留学を目前に控えた当時・上智大4年の女性が葛飾区柴又の自宅で殺害、放火された事件は、干支が二回りした今年も、懸賞金800万円の表示と情報を求めるポスターが都内の交番に貼られ、警視庁HPにもアップされている。悲惨な事件の記憶を風化させまいとする遺族の切実な思いが込められている。

 小川氏は「今後は顔認証システムやビッグデータを使ったAI(人工知能)捜査も進むでしょう。さらに混合DNAの解析等々、科学捜査などもはるかに進歩しています。これまでの未解決事件の解決も十分にあると考えられる」と予測。迷宮入りかと思われた事件の解明が期待される。

(まいどなニュース/デイリースポーツ・北村 泰介)