日本国内の新型コロナウイルスの感染規模が日増しに拡大していく中、接客業に携わる人がマスクを着用することの是非について、一部の現場ではいまだに混乱が続いているようだ。ある地方のスーパーマーケットで働いているという読者のAさんから、当サイトに「私の勤務先がマスク禁止のため困っている」との情報が寄せられた。

「予防のためのマスク着用は認めない」
Aさんが働くのは、複数の県でチェーン展開しているスーパー。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本社は「接客時のマスクは原則禁止だが、個々の事情による許可は各店舗の店長に任せる」と指示を出した。他店舗ではこれが事実上のマスク解禁となったという。

ところがAさんの店では、店長が「予防のためのマスク着用は禁止」と決定。「すでに症状が出ている人などしか認めない」として、着用を希望する人は必ず許可を得るよう求めたため、申告することにストレスを感じてマスクを諦める同僚もいたという。

ただ、14日に国内で新たに8人の感染が確認されたことの影響などから、店は「全員マスク着用」にようやく方針転換。Aさんは「常に最悪の事態を想定しておくべきで、今回のような後手後手の対応はリスクマネジメントの観点からいかがなものか」と憤る。

予防には手洗いの方が有効だが…
マスクに関しては、咳やくしゃみなどの症状が少しでもある人は、ウイルスなどの飛散を防ぐ効果が高いことから着用が推奨されている。一方、症状のない人の予防的使用には、WHO(世界保健機関)が「マスクで感染を予防できるという科学的根拠はない」という見解を示すなど、専門家の間では「むしろ手洗いの方が有効」との意見が一般的なようだ。

世間の声はどうか。

エアトリが2月2日から4日にかけて実施したインターネット調査では、「感染症を予防するために接客者がマスクを着用することについてどう思うか」という問いに、1322人のうち9割以上が「賛成」「条件付き賛成」と回答。「その接客者自身が保菌している可能性があるので」「接客者が『うつされる』というより、『うつす』側になるかもしれないから」「感染症が拡散しているときは、お互いの予防のために必要だと思う」などの声があったという。

Aさんは「お客さまからは『マスクをしてくれた方がこっちも安心する」という声をたくさんいただいた。もしマスクを禁止しているような企業があるなら、これを機にきちんと考え直してほしい」と訴える。

(まいどなニュース・黒川 裕生)