4年に1度、夏季オリンピックの年にしかない、2月29日。その日が実は「円満離婚の日」だった…ってご存知でした? そんな記念の日(記念していいのか分かりませんが、まあ『円満』ならいいか…)に合わせ、日本を代表する怪奇漫画家・日野日出志さんがデザインした、おどろおどろしい離婚届が登場し、ジワリと話題を呼んでいます。

 「円満離婚の日」を申請したのは、「結婚式」ならぬ「離婚式」をプロデュースする寺井広樹さん。1年間で離婚件数が一番多いのが3月ということで「2人に、福(29)あれ」と前日の2月29日に、「夫婦の絆」や「結婚・離婚の本質」について改めて考える日として、8年前に日本記念日協会さんに申請し、受理されたそうです。ちなみに、4年に1度しかない、うるう年にしたのは「語呂合わせと、円満離婚は、離婚全体の1%に過ぎないと言われていて、4年に1度ぐらいとても珍しいケースですので」だとか…

 オリジナル離婚届は、今年3度目の記念日を迎えるに当たって企画。「身の毛もよだつ離婚届をお守りとして保管しておくと、いざ記入の際に怖すぎて離婚届を書くのを躊躇されるかも」(寺井さん)と日野さんに打診しました。

 愛妻家として知られ、間もなく結婚48年を迎える日野さんですが、ご本人によると「実は、一度だけ離婚の危機があった」そう。

 「20年、いや25、6年前かなあ。もう何が原因だったかなんて、サッパリ覚えてないんです。僕も若かったしすごく忙しい時で、頭に血が上ってカーっとなって。お互い離婚届に署名して判もついて、娘は妻に、息子は僕についてくる…なんてことまで決まり『役所に(届を)出して来るわ!!』と啖呵を切ってバイクで家を飛び出したんだけど、大雨でずぶぬれになってね。役所に着いてポケットから出してみたら離婚届もぐしょぐしょ。インクも滲んで、このままじゃ出せないな…と」

 「で、どうしようかと役所の長いすに腰かけていたら、あれ、そもそも何で離婚届書いたんだっけ?と思って頭が冷えてきて、家に帰ったんです」

 家に戻ると奥さんと娘さんがいて、事情を話すと「あ、そうなの」と一言。そして、いつもの生活に戻ったそうです

 「あれから長いことたって、お互い年を取り、もうケンカするほどのエネルギーも枯れてしまったけど、今でもあの時のことを話すことがある。今考えたら、一時の激情に流されて離婚せずによかったな、と思います。結婚して何年もすれば、どんな夫婦でも一度や二度は離婚を考えることもあるもの。でも、一番最初に出会った日のことを思い出したら、大抵は思いとどまれるんじゃないかな。だから、この話をもらって、シャレとして面白いな、と。ただ、そんな離婚届、通らないでしょ!というのが一番でしたが(笑)」

 そう!何より、本当にコレ使えるの?―というのが疑問ですが、寺井さんによると、商品化を前に都内の区役所窓口で確認したところ、職員から、笑いながら「使えますよ」との返事があったとか。念のため神戸市役所住民課にも確認してみましたが、「最近増えてきた自治体独自の婚姻届と同様、離婚届も戸籍法で定められている標準の様式で、記入事項を全て満たしていれば、受理されます。ですから外周部の余白は関係ありません。が…あんまり聞かないですし、見たことないです(笑)」とのことでした。

 そんなこんなで、オリジナル離婚届は、2月29日の発売を前に離婚式のホームページから受付を始めているそうですが「そこそこの申し込みがあります」と寺井さん。結婚式の2次会の景品にと買い求める人も多いといい、「夫婦喧嘩の仲直りのきっかけに、また浮気防止アイテム、離婚式の『署名押印の儀』でご利用など用途は自由です。2月29日までじっくり冷静に考えて、二人の関係や相手のことを改めて考えるきっかけになれれば」と話していました。

 日野日出志オリジナルデザイン離婚届は1122円(税込)。「いい夫婦」、だそうです。

(まいどなニュース・広畑 千春)