好奇心からなのか何なのかは分からないが、繁華街にある背の高い街路樹に登り降りられなくなった子猫がいた。レスキューされたのはいいが、警戒心が強くて、かみついてくるような子だった。子猫を飼うことになった平野さんは、子猫が心を開いてくれるのをじっくり待つことにした。

街路樹に登って降りられなくなった子猫

福岡県福岡市の中州といえば、屋台がたくさんあることでも知られている、言わずと知れた繁華街。2019年6月、中洲には、いつものようにネオンがきらめき、片側3車線の道路には車がひしめいていた。道路の脇には背の高い街路樹が植わっているのだが、上のほうでニャアニャア鳴いている1匹の子猫がいた。登ったのはいいが、下に降りられずに困っているようだった。

福岡県に住む平野さんの知人が子猫を見つけ、消防署にレスキューを要請し、消防車が駆けつけた。近くに兄弟や親猫はいなかった。

福岡県に住む平野さんは、知人から「子猫が困っている」と連絡を受けた。

「その人は、私が猫好きだということを知っていたのですが、消防署の人に『引取り手がいないと助けられない』と言われ、私に連絡してきたんです」 

ニャアニャア鳴き続ける子猫

平野さんは、すぐに子猫を入れる箱を持って中州に向かった。

「2012年に飼い猫を亡くして以来、猫を飼おうとは思わなかったんです。偶然捨てられている猫と出会うようなことがあったら、飼ってみてもいいかなという感じでした。でも、電話がかかってきて、迷わず車を走らせていました」

レスキューされた猫は、近くにいた人に抱っこされていたが、人になれていないようで暴れて、咬みついた。平野さんが家に連れて帰り、ケージに入れたが、ずっと暴れて鳴いていた。

一週間後、ケージに入れたまま動物病院に連れて行くと、生後1カ月半くらいだと言われた。

「警戒心が強くて、一週間くらいずっと鳴いていました。大変でしたが、里親を探そうとは思いませんでした。たらい回しにするのもかわいそうで」

自然に心を開いてくれるのを待つ

平野さんは、年号が令和に変わった頃に産まれた子猫なので、令和にあやかって「レイちゃん」と名付けた。

保護してから4、5カ月経つと、レイちゃんは少しずつ触らせてくれるようになった。しかし、目ヤニを拭こうとしても逃げ回っていた。平野さんは、ごはんも置きエサにして様子を見た。

「臆病な子なので、無理に近寄って怖がらせてもいけないと思ったんです。向こうから来るまで待とうと思いました」

最近は、鼻と鼻を近づける鼻タッチができるようになった。

「鼻タッチができるようになってからは早かったんです。ごはんを準備している時、足元に寄ってきたり、ひざの上に乗ってくるようになって嬉しかったです」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)