おじいさんが飼っていたきびだんごくん。おじいさんが病気で亡くなると、部屋の外に追い出されてしまった。偶然、きびだんごくんと出会ったHさんは、ご主人に猛反対されながらもきびだんごくんを飼うことにした。

おじいさんが亡くなって追い出された猫

2015年8月、京都府に住むHさんは、町内会の会長をしていたので、近くのマンションで配布物を配っていた。1匹のきじねこがいつも同じ部屋の前にいたので、猫好きのHさんは気になっていた。

きじねこは、その部屋に住んでいたおじいさんが飼っていたのだが、おじいさんが病気で亡くなってしまった。部屋を引き払わないといけないので、親戚の人が外に放り出したのだという。ごはんは、同じマンションの人が与えていた。

きじねこは、なぜかHさんの後をついてきた。家に着くと玄関の前に2時間くらい座っていた。猫風邪をひいていて、鼻水と咳がひどかった。

ご主人が猛反対

猫が好きの娘さんがきじねこを飼いたいと言うと、Hさんのご主人は、「なんでこんな猫をうちに入れるんや!こんな汚い猫、なんでうちが引き受けるんや!」と、Hさんが困惑するくらい激怒した。娘さんも「外には出せないし」と応戦した。

娘さんは、猫を「きびだんご」と名付け、こっそり部屋に入れて飼っていた。Hさんのご主人は、幼い頃から実家で猫を飼っていたので、本当は動物が好き。娘さんとHさんがきびだんごくんを飼っていることは知っていたが、知らないような顔をしていた。

Hさんは、とかちくんという3歳の黒猫も飼っていたが、きびだんごくんは推定10歳。とかちくんがきびだんごくんのところに来ると、若い猫の相手をするのは煩わしいようだった。仲が悪いというほどでもなかったが、一緒に寝るようなことはなかった。

愛猫きびだんごくんを亡くしてペットロスに

猫風邪が治るまで、きびだんごくんは鼻くそを飛ばしながら過ごしていた。

「壁にくっつくもんですから、取るのが大変でした(笑)可愛いところもあって、手のひらに乗るような小さいぬいぐるみをかごに入れておくと、ウーウー言いながらくわえて持ってきました」 

娘さんは、会社から帰ってくると、いつも部屋できびだんごくんと一緒にいた。会社でのストレスをきびだんごくんが癒してくれていたのだ。

しかし、2019年7月31日、娘さんが帰宅すると、部屋できびだんごくんが亡くなっていた。高齢のため腎臓病を患っていて、闘病中だった。

娘さんは、ペットロスになり、泣き暮らしていて、やがて会社も休みがちになってしまった。Hさんは、「立ち直るのに時間がかかりそうだな・・・」と思った。

知り合いの猫ボランティアさんに相談すると、「次の子を迎えないとあかんわ」と言われ、Hさんと娘さんは、8月末、譲渡会に行った。そこには、きびだんごくんにそっくりの子猫がいた。子猫を見るなり、「この子や!」と離さなかった娘さん。子猫を迎えて再び元気を取り戻したそうだ。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)