新型コロナウイルスの終息が見通せない中、広島県福山市東川口町にある崇興寺の枝広慶樹住職(34)が、SNSを使って悩み相談を受け付けたり、どうにもならない現況へのもどかしさを表した法要をライブ配信したりするなどして、コロナ禍に苦しむ人に寄り添っている。枝広住職は「昔から疫病がはやると仏教が力になってきた。今回も救いになれば」と願っている。

 枝広住職は社会不安の広がりを危惧し、4月8日にLINEの無料通話を使った相談窓口を開設。同月中に4人から相談があった。ある男性は仕事をなくし失意に暮れていたことから「何もしない一日を過ごすと苦しいから、日常生活のささいな行動も意識して取り組んでみて」などとアドバイスしたという。相談窓口は、檀家に限らず市内外問わず受け付ける。1回90分以内で無料。

 「多くの人の“ふざけるな”という気持ちを受け止め代弁しようと思った」(枝広住職)。17日には「コロナふざけるな法要」と銘打った催しを寺の本堂で行った。怒りの矛先をどこにも向けられないもどかしさを、プロの和太鼓奏者の演奏に合わせた読経に込め、SNSで動画を生配信した。約60人が視聴し「感動と元気をもらった。苦難を乗り越えるための家族の在り方や人間力を問われているようにも感じた」との感想も寄せられたという。

 寺の本来のつとめにも影響は出ており、4月中旬から5月中旬にかけ法事が8件キャンセル。インターネットを活用し親族限定で住職の読経している姿を視聴できる取り組みを1日にスタートさせた。

 枝広住職は「大きなことはできないが、小さなことから行動を起こすことで誰かの支えになれたら」と話している。

(まいどなニュース/山陽新聞)