「CGに見えるけど合成なしの実写です」とのコメントとともにTwitterに投稿された1枚の画像が話題です。群青色の快晴の空にそびえる、白い庇が際立つ高層ビル。シンプルで清々しい構図に、初夏の爽やかな空気感をとらえたレコードジャケットのイラストのような印象さえも受けますが、実は写真。しかも大阪の街中で撮影されたものだといいます。

投稿したのは、写真家の「Keng Chi Yang」(@keng_chi_yang)さんです。5月5日に投稿し、7日午後までに13.5万件以上の「いいね」がついています。

話題の画像は、シンプルな表現が絶妙で、ゲームやシミュレーターの画面の中にあらわれてきそうな感じです。しかし、建物や雲をクローズアップして見てみると…外壁のテクスチャや建物内部の備品などまで見えてきて、現実世界にあったものを撮影したのだと気付かされます。

一方で、背景のグラデーションの美しさや、建物のコントラストの鮮やかさに、アクリルやポスターカラーで描いたイラストのようだと感じる人も。夏らしい清々しさや、アメリカらしさを感じて「一昔前の山下達郎のジャケ写みたいだ!」という指摘も…。手がけたグラフィックデザイナー・永井博さんの作品を彷彿とさせると、画像にジャケットのタイトル文字を入れて楽しむ人もいました。

投稿したKeng Chi Yangさんに聞きました。

―大阪の風景を撮影されたとのことですが、どちらの建物になりますか。

「堂島(大阪市北区)にある新ダイビルです」

―新ダイビルといえば、中之島から川沿いに見える地元ではよく知られたビルですよね。スカッとひらけた構図ですが、どこから撮影されたのですか?

「川を渡ってから撮った記憶がありますが、撮影をしたのが昔なので若干曖昧です。撮影は2017年8月19日13時20分にしております。かなり暑い日でした」

―画像の調整は「ほとんどしていない」とのことですが。

「トーンカーブを簡単にいじる程度…明るさやコントラストを調整しました。Photoshopは使っていません」

―この写真は撮影のときから、CGっぽくできるな…と思われていたのでしょうか。

「撮影時からこの様になることを想定して撮影をしました。この写真の大事なポイントは、白い建物に均一な光が当たっていることと、ビル上部の背景の空が雲ひとつ無いこと、そして望遠レンズを使うことによって建物と街灯が綺麗にパースが付かずに見えること…の3点になります」

―だから、こんな印象に見えるのですね。ちなみに、なぜこのような写真を撮影・投稿されたのですか?

「写真のジャンルでミニマルと呼ばれるジャンルがあるのですが、写真を撮っているTwitterユーザーの間でそのミニマル写真が少し流行っています。その中でもミニマルな建築写真が流行っていたので、その流れに乗りました。これから夏も始まってくるので、その雰囲気を感じていただきたい狙いもありました」

―CGというよりも、爽快なイラストのようにも見えますよね!

「今回話題になったことで、イラストレーターの永井 博さんを想起させる、とのコメントを沢山いただいて、とても嬉しかったです。もっと写真で遊べそうな可能性も感じました」

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京都でおもに活動しているKeng Chi Yangさん。「DopeZine (ドープジン/@dope_zine)というWebメディアとオンラインサロンの運営・講師をされているといい、Twitterのアカウントにはこれまで撮影してきた写真などが紹介されています。

(まいどなニュース・川上 隆宏)