テレビに「なんでやねん」とつっこみ、「ホテルニューアワジ」「とんかつとんかつKYK」「お仏壇の浜屋」をメロディなしには読めず、「お電話です」とバナナを手渡されると「もしもし」とボケる。道ゆく中高年女性からは「アメちゃん」を渡されまくり、タクシーに乗ると「この道ブワーッ行って」、居酒屋で刺身がなかなか出てこないと「釣り行ってるんちゃう?今」。そんな「関西あるある」をとことん詰め込んだ謎のWEB動画が大変な人気だ。再生回数は約2カ月で430万回を突破(5月7日現在)。制作したのは、やはり関西人が歌わずには読めない組織こと関西電気保安協会である。

「関西、電気ほ〜あんきょーかい♪」のサウンドロゴでおなじみの同協会は、ビルや工場、家庭などの電気設備の点検や保安管理業務を行う一般財団法人。関西人には、ローカル番組でよく見聞きする味のあるCMでも親しまれている。

広報活動の一環として、同協会は2017年から毎年春、ユニークなWEB動画を発表。2019年は電気グルーヴの石野卓球とコラボした「関西電気保安グルーヴ」動画が話題になるなど、時代と共にアップデートを続ける攻めの姿勢が注目を集めている。

今年は3月から「ある日突然関西人になってしまった男の物語」と題した15秒のショートコメディドラマのシリーズ(全12話)を随時公開。関西に転勤してきたごく普通の男・西尾学が、関西独特の風習に染まりながら、関西人としての人生を歩んでいく物語だ。彼が見聞きする関西ネタが、Twitterなどでは「関東から越して来たのでわかることがありすぎる」「こうして“関西人”が量産されていくのか」「無駄に面白い」「関西以外の人からはおかしいと思われるかもしれないが、大体合ってる」「関西って何なの」と大反響を巻き起こした。

同協会の担当者は「Twitterでは一時、日本のトレンド3位にまで食い込むほど盛り上がりましたが、私どもとしては正直『キョトーン』という感じで、戸惑っているというのが本音です」と笑う。それでも関西出身とみられる人が「この曲、久しぶりに聴いた」などと反応しているのを見ると嬉しくなるといい、「温かいお声をあちこちからいただいております」。

電気保安のエキスパートとして、これからも関西人の「身近な存在」であることを積極的にアピールしていきたいという同協会。「堅苦しいことを言っていても印象に残りません。理屈抜きに楽しんでいただけるよう知恵を絞っていきたい」としている。知らんけど。

(まいどなニュース・黒川 裕生)