これは、高校生の子どもを持つ、私の姉が体験した話です。姉の家には高校3年生の長女、そして高校1年生の長男がいます。2人とも、コロナによって貴重な高校生活を奪われてしまい、家でダラダラ過ごしています。子ども2人は勉強もろくにせず、スマホを見つめてばかりいるので、姉はこの状況を心配していました。

特に気にかけていたのが、高校生になったばかりの長男です。長男の場合、高校受験の時期からコロナ騒動が始まり、中学校の卒業式や高校の入学式もほとんど中止になってしまいました。そして、受験が終わってホッとしたのもあり、学校が休校になってからは毎日のようにスマホゲームをしています。

ある日、姉と息子が激しい喧嘩をします。

「1日10時間くらいスマホ見てるでしょ!?いくら何でも多すぎる!勉強しなさい!」

それに対して息子は、

「うるせー。スマホで勉強している。放っておいてくれ」

「外にも出れないしスマホでのゲームくらいしか楽しみがない」

などと言って、態度を改める気はありません。

確かに今の状態では「勉強しろ」とか「運動しろ」などと言っても焼石に水です。そう考えた姉はふと思いつきました。

「そうだ、小さい頃一緒に遊んだテレビゲーム機を立ち上げよう」

それは倉庫にしまい込んだ任天堂Wii。いまはDSやらswitchなどにすっかり様変わりしていますが、当時は爆発的に流行った家庭用ゲーム機です。一人でスマホに没頭させるより、せめて家族でゲームをした方がコミュニケーションが取れるのではないか、と姉は考えました。

姉がWiiを購入したのは今からもう15年以上も前。結婚を機に購入したものであり、子どもたちが5歳くらいになったころ、一緒にWiiスポーツなどをして遊んだそうです。姉は倉庫からWiiを探し出し、子どもたちを呼んでテレビ前に集合させました。そして壊れているかもしれないことも覚悟のうえでWiiをテレビに接続してみました。しばらくするとWiiが立ち上がり、画面上にこう表記されたのです。

「お久しぶりです。3229日ぶりですね」

これには家族みんなから「おおー!」と歓声が上がりました。10年近く立ち上げなかったWiiですが、ゲーム機はしっかりと、最後に使った日にちを覚えてくれていたのです。

そして、驚くべきことがもう1つ。当時Wiiに登録していた、利用者の身長や体重が出てきたのです。そこには子ども2人が幼かったころの身長と体重。上の子は120cm23キロ、下の子は110cm19キロ、幼い頃の子どもの様子がよく分かり、親子で会話が盛り上がりました。

さらに、一番盛り上がったのは姉の体重!10年前に登録した体重は、なんと今より9キロも痩せていたとか。

「お母さん痩せてる!」

「マジか、1年に1キロペースで太ったってこと!?」

さんざん子どもたちにからかわれた姉ですが、さすがに自分でも10年間にわたる体重の増加には驚き、ショックを受けたとか。

その後姉家族は、親子で会話を楽しみつつ、定期的に懐かしいゲームを楽しむようになったそうです。

(まいどなニュース特約・島田 志麻)