流通アナリストの渡辺広明氏が「ビジネスパーソンの視点」から発信する「最新流通論」の今回は「花火」がテーマ。コロナ禍で盛大な花火大会が軒並み中止になっている中、コンビニで購入できる「手持ち花火」の売り上げが好調だという。平成のコンビニ花火事情をおさらいした上で、全国的に感染者数が急増し続ける「コロナ禍の夏」における現状をリポートする。

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 気温が30度を超えていても、お盆が終わると夏は終わったと感じてしまうのは日本人だからでしょうか?今年はコロナ禍で梅雨も長く、盆踊りや花火大会は9割近くが中止になり、さらに儚(はかな)い夏となりそうです。

 そんな中、手持ち花火の売上が好調のようです。こんな夏だからこそ、自宅の近くでちょっとした夏の思い出作りをする人が多いのでしょう。

 私がローソンで花火のバイヤーをしていた頃の23年前は、花火の買う場所が玩具店からコンビニに移っており、ローソンでは日本の花火の5%のシェア18億円程度を販売していて、コンビニ花火全盛でした。

 ただし2000年に入り、海岸を中心に打ち上げ花火のゴミと騒音問題で花火防止の条例が施行されたり、禁止の公園や施設が増えたため、個人で楽しむ花火の全体の市場規模も、少子化もあり、ピーク時の30%強縮小したと言われています。

 また、現状、花火生産の9割以上が中国製ですが、僕のバイヤー時代は日本製が半分程度を占めていました。

 当時、工場を視察したのですが、夏に販売する花火は冬の生産で花火の製造エリアは規制で電気が通っていなく、寒い中、花火を作られていて、製造で後継になる人がいないとお話された事を思い出します。そんな背景もあり、人件費の問題も重なり、他の商品同様、中国生産が増えていったのでしょう。

 クリスマスの寒い夜に岡崎城前の河川敷で、打ち上げ花火で取り扱い新商品をチェックしたのが懐かしいです。

 今年、売れ筋の手持ち花火は「煙少ない花火」です。小さい子供には煙を直接受けるのを防ぐ目的で開発されましたが、煙で近所迷惑をかけない配慮もありつつ、スマホで写真を撮ってのインスタ映えするという事で人気が加速してるようです。昭和世代の僕は煙モクモクもノスタルジーなんだけど…。

 ただし、火の後始末やゴミを持ち帰るなど、近所での花火はマナーを守るが必須です。

 少し寂しかった夏の終わりに、線香花火をしたいんだけど、ステイホームで仲間と花火って訳にもいかないし、子供も大きくなってしまったので、インスタグラムの投稿「#線香花火」検索で夏の風物詩の擬似体験で心を癒そうと思っています。

◆渡辺広明 マーケティングアナリスト。1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニエンスストアの店長、スーパーバイザー、バイヤーとして22年間、メーカーのマーケッターとして7年間従事。現(株)やらまいかマーケティング代表。商品開発700品の経験を活かし、顧問、講演、バラエティから報道までのメディア出演と幅広く活動。フジテレビ「Live News a」のレギュラーコメンテーター。