表面に焼き付けられた顔写真が異様なインパクトを放つ謎の商品「顔どら焼き」が、この秋、関係者も驚くほどの大ヒットを記録している。発売当初は同シリーズのマカロンに注目が集中していたが、新型コロナウイルスの影響で旅行や帰省が難しくなると、敬老の日を前にSNSなどで「田舎の祖父母に孫の顔どら焼きを贈ると喜ばれるのでは」という機運が高まり、人気が突如、急上昇。これまで月に5、6セットしか売れていなかったのに、9月だけですでに700セット以上の注文が入っているという。

「はい…いいなSTORESです…ああ、連絡をくださっていた取材の人…こんにちは…」

企画・販売している会社に話を聞こうとメールでアポを取って電話してみると、受話器を取ったのは明らかに疲れ切った声の男性。何を隠そうこの人が「いいなSTORES」の社長、稲沢健さんだったのである。

「敬老の日にプレゼントしたいという人からの注文が殺到して、今は本当に休む暇もない状態です」と稲沢さん。「敬老の日はとっくに過ぎている(取材日は23日)のですが、まだ製造が追いつかなくて…。あ、間に合わないことはもちろんお客さまも注文時に了承済みです」

いいなSTORESが「世界で一つの面白プレゼント!」と銘打って顔マカロンを売り出したのは2019年10月頃のこと。お菓子などの「名入れ」サービスをヒントに、「もっと特別感があって笑えるものを」と顔写真入りを企画して売り出したところ、「なんじゃこりゃ!」「気持ち悪い!」と大反響を巻き起こし、月300〜400セットが売れる人気商品になった。

一方のどら焼きも、ほぼ同時期に販売を始めたが、地味さゆえかこちらはほとんど売れず。ところが今年の春以降のコロナ禍を反映してニーズがじわじわ拡大し、SNSでも再評価や再発見の流れが加速。とうとう敬老の日に人気が爆発した、ということらしい。

インパクト勝負の商品かと思いきや、これが実は地元福島の名店「ふたば茶亭」の協力を得て作られており、「上品な甘さが絶品」と味も好評という。稲沢さんは「開けたとき、食べたとき、そして思い出したとき。3回笑顔になれるエンタメ性にあふれたギフトです。敬老の日に限らず、日常を楽しく演出してくれますよ」とPR。今からでも、いいなSTORESに注文すれば、10日ほどで発送されるという。

5個入り2800円、10個入り4000円(いずれも税別)。ショップでは、マカロンやTシャツも販売している。

(まいどなニュース・黒川 裕生)