子猫のノアちゃんは、野良猫が産んだ子猫だった。ある日、母猫がいなくなり、酷い猫風邪をひいていたノアちゃんだけが残された。ノアちゃんを発見した三浦さんは、放っておくことができず保護。先住猫たちは親猫のようにノアちゃんを迎え入れた。

■母猫が置き去りに?酷い猫風邪をひいた子猫

2019年6月の早朝、兵庫県に住む三浦さんは、以前からよく見かけていた黒猫親子の子猫だけが、自宅付近にたった1匹で置き去りにされているのに気が付いた。出勤前の夫が最初に子猫を見つけた。目やにで両目が塞がった状態で身動きも取れず、うずくまっていた。周囲に母猫の姿はなく、このままではカラスに襲われるかもしれないと思い、保護した。

目の見えない状態の子猫が自力でここまで歩いて来たとは考えられない。三浦さんは、「もし母猫が連れて来たのだとすれば、我が家に子猫を託していったのかもしれない」と思った。

猫風邪と結膜炎がひどく、身体中ノミだらけ。お腹の中にはたくさんの寄生虫がいた。元気に育ってくれるだろうか、と不安で仕方なかったが、毎日の投薬と点眼薬の効き目もあり、2週間程で完治した。

■先住猫たちに可愛がられて

当時、三浦さん宅には2匹のチワワと2匹の猫がいた。4匹ともペットショップの売れ残りの子たちだった。野良猫を保護した経験がなく、不安だらけだったが、目の前の消えそうな小さな命を見て見ぬふりなどできるわけもなく、気付いた時には子猫を抱きかかえて家に向かっていたという。

名前はノアちゃんにした。 

両目が塞がった状態だったので、目やにを拭き取り、目が開くまで心配で仕方なかった。炎症が酷かった左目は、大人になった今でも開きにくい日があったり、涙が鼻から抜け出る管が両鼻とも塞がったままなので、ずっと涙が溢れ出ていたりする状態だが、視力は問題ない。

猫風邪が酷かったため、先住猫とは2週間隔離した。病気が完治してからのご対面となった。ボス猫のエルくんは人にも動物にもフレンドリーな性格なので、初対面にも関わらずノアちゃんに近付いて、さっそく、教育をはじめた。三浦家の猫社会のルールは全てエルくんが仕切っていて、とても心強い存在なのだという。

雌猫のアメリは、最初のうち威嚇していたが、翌日には子猫を受け入れ、とても可愛がった。アメリは母性本能が強い子なのかもしれない。2匹の犬達は猫の存在に慣れているため、これといって興味を示さず、子猫の方も外で生活していたせいか、犬に慣れているようで全く怖がらなかった。先住猫たちの愛情を受け、ノアちゃんはすくすくと育った。

■保護猫ノアちゃんとの絆

保護した日から毎日、時間のある限り付きっきりで看病していたので、ノアちゃんはとても甘えん坊になった。抱っこも大好き。人見知りが激しく怖がりなので、来客があると慌てて隠れてしまう。身体が弱く季節の変わり目やストレスから猫風邪を再発しやすい。

子猫を迎えたことによって家庭内がさらに賑やかになったことはもちろん、野良猫を保護して、三浦さんの保護猫への関心が深まった。今まで知らなかった現実をたくさん知るきっかけとなり、今後、猫を迎えるなら里親募集中の保護猫を迎えたいと思っているという。

三浦さんは、「毎日、罪のない犬や猫たちが殺処分されているという現実をたくさんの方に知ってもらいたい。今後、犬や猫を飼いたいと考えているなら、保護犬や保護猫を迎えるということを視野に入れてもらいたい」と願っている。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)