細部に至るまで精巧に作り込まれた「昆虫」や「草花」の木工作品がSNSで注目されています。「木工作品を作っています!着色は一切せずに、"木"本来の木目や色味をそのままに活かして作ります。工芸の技法で作った彫刻です」と投稿したのは作者である木工作家の福田亨さんのアカウント(@TF_crafts)。

 作家の手によって命を吹き込まれたかのようなクワガタや蝶や花…。デリケートで美しいフォルムは見るものを魅了し、「凄い」「素晴らしい」「見事」など賞賛の声が寄せられました。さらに固定ツイートには、制作に使用する木材の画像も投稿されています。

 アカウントのプロフィールには『立体木象嵌』という技法を自身で考案した、とあります。福田さんに確認すると「伝統装飾技法の木象嵌(板にある形を彫り、そこに同形の異なる色味の木材をはめこみ『絵』や『文様』を表現する)を、立体彫刻へ応用した」とのこと。その際、はめこむ木材の着色は一切せず、木の持つ天然の色味や木目の質感を大切にするのが福田さんのスタイル。さらに詳しく制作にこめる思いについて、伺いました。

――木工作家としての活動はいつからですか。

 象嵌で蝶々を作り始めたのが5年前です。兼業から、専業作家になったのは去年の春からです。

――こだわっているところは。

 制作で大切にしていることは、モチーフのらしさです。ディテールをしっかり作り込むのも大切にしていますが、その生き物の生きている時の雰囲気や性格なども大切にして、表現したいと考えています。

――木の持つ天然の色味を大切になさっているそうですね。

 着色については「絶対にしない」というこだわりはなく、木材の魅力を伝えたいという気持ちがあるので、着色しなくてもこれだけ木は色彩や表情豊かで味わい深いものだということを感じてもらうためにそうしています。

――作品を投稿したツイートに反響がありました。

 反響はとても嬉しいですし、活力になっています。自分自身、とても木工が好きで、彫刻の他に伝統工芸の指物などのエッセンスも作品に取り入れているので、共感してもらえるととても嬉しく思います。

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 最後に、来年初春に予定しているという個展についても教えてもらいました。「個展は2021年1月の8〜17日に、東京銀座にあります靖山画廊にて開催予定です。コロナ禍の中で不安もありますが、少しでも多くの方に楽しんでいただけたらなと思います。よろしくお願いいたします」(福田さん)

(まいどなニュース特約・山本 明)