ぽんずちゃんは兄弟姉妹と一緒に牛を飼っている牧場で保護されたが、1匹は息絶えていた。2匹は里親が決まったが、最後に残ったぽんずちゃんは、なかなか里親が決まらなかった。ぽんずちゃんの写真を見た嵯城さんは、迷わず里親になることにした。

牧場で保護された子猫

北海道に住む嵯城さんは、夫の実家で猫を飼っていたので、自分たちも猫を飼いたいと思っていた。動物との暮らしにも憧れていた。コロナが流行ってない時には、月に一度、旭川にある夫の実家に帰省していた。実家では猫を数匹飼っていたので触れ合ったが、家に帰ると、猫のてんちゃんが寂しそうな顔をしていた。

「もう1匹猫がいたら、私たちが仕事で留守にしている間も寂しい思いをしないのではないかと考え、2匹目を迎えようと思いました」

旭川市にある動物のシェルターに行こうと思ったが、コロナ禍、予約制になっていたので都合が合わず行けなかった。

2020年10月、嵯城さんは、職場の同僚から、「知り合いの牛牧場で生後2カ月くらいの子猫を保護して、里親を募集している」という話を聞いた。早速写真を見せてもらうと、小さくて可愛く、直接見に行きたいと思ったそうだ。

10月30日、嵯城さんは牧場まで子猫を引き取りに行った。子猫は4匹いたらしいが、1匹は既に亡くなっていた。2匹は里親が決まったが、ぽんずちゃんだけなかなか決まらなかった。

最後に残っていた1匹を

嵯城さんは、最後に残っていた1匹をもらってきた。

「譲渡してもらったのはいいのですが、衰弱していて心配になりました」

名前はぽんずちゃんにした。家に迎える前、写真を見て名前を考えたが、あれこれ検索してもピンとくるものがなかった。夕食の時、ふと使っていたポン酢が目に入り、写真の可愛らしい顔つきと、「ぽんず」という響きがぴったりだと思ったのが決め手になった。

ぽんずちゃんはケージに入れず、自分で温かく居心地のいい場所を探せるよう自由にした。最初は全く動かず、ストーブの前に置いていたピンクのクッションの上で丸まっていた。先住猫は最初は警戒して近づかなかったが、遠くからぽんずちゃんの様子を見守っていた。

子猫を迎えて、さらに夫婦の会話が増えた

ぽんずちゃんは、徐々に歩く範囲を広げていき、一週間経つ頃には、先住猫のてんちゃんがぽんずちゃんのお尻をなめたり、しつけたりするようになった。その後は、一緒にごはんを食べたり、走り回ったりして元気に過ごすようになった。

ぽんずちゃんはやんちゃで元気いっぱい。ケリぐるみを蹴るのが得意で、先住猫の攻撃に屈することなく、逆に自分から攻撃を仕掛けていく。

嵯城さん夫妻は、もともと夫婦の会話が多かったが、ぽんずちゃんを迎えてさらに話すことが増えた。時々いたずらをされて困ることもあるが、すり寄ってくるだけで仕事の疲れが吹き飛び、気持ちが明るくなったという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)