音楽でも映画でも最近はサブスクリプション、定額制サービスが流行ですよね。毎月一定の金額でサービスが受けられる、その手軽さが若い人達に広く受け入れられているのでしょう。

サブスクリプションサービスとはだいたいこういうもの

 各メーカーごとにいろいろな制度がありますが、基本的には三年後とか五年後、七年後のそのクルマの値打ち、残価を設定して、車両本体価格や諸費用からその金額を引いたものを均等割で支払っていく、というおおざっぱに言えばそんな制度です。

 諸費用の中には登録手数料のような新車を買ったときに普通に掛かってくるもの以外にも、法定の点検整備、消耗品の交換や修理代、任意保険、税金、三年を超える期間の契約では車検費用なども含まれているので、他に必要なのは駐車場代とガソリン代くらいです。

 契約期間やメーカーによって変わってきますが、だいたいの費用感でいうと、たとえば軽自動車やコンパクトカーで月額三万円台の半ばから四万円くらいのようです。

 毎月定額で、このくらいの費用で新車に乗れる。期間が終わればまた新しい契約で新車に乗ることができる。また、そのクルマが気に入ればその設定された残価で買取もできる、というところもあります。

 ただし、利用する上でいろいろな条件も有って、たとえば月あたりの走行の上限が1000kmとか1500kmまでというように決められていたり、一旦契約するとその期間が終わるまでは解約ができない、もしくは高額な違約金がかかるということもあります。

 そんななかホンダが提供している「マンスリーオーナー」というサービスだけは、最短一カ月からの契約が可能です。ただしこれは新車ではなく中古車が対象です。この辺りは「長期契約のレンタカー」に近いかもしれません。料金は最安で29800円からで、レンタカーをひと月借り切るよりは圧倒的に安いですが。Webからの申し込みもできて利用しやすいです。

カーシェアやレンタカーとの違いは?

 ここでひとつ考えたいのは、カーシェアというサービスとの棲み分けです。クルマを所有する上での費用や手間やリスクを減らすということでいうと、最初から所有しないで必要なときにささっと借りるというのも有効な選択肢ですよね。実際に月額基本料金1500円程度という維持費の安さはものすごく魅力です。駐車場代も掛かりません。ただし、カーシェアは連続して72時間(会社によって少し違います)以上使えないという制限があり、またその都度空きを見て予約するということで「通勤や通学で毎日使う」というような用途は無理があります。

 クルマを使う頻度によって、サブスクリプションにするのか、カーシェアにするのか、あるいはレンタカーを使う(こちらは72時間を超えて借りることもできます)のかというような選択をすることになりますね。

この先しばらくは伸びそう。でも自動運転の時代になるとどうなるかな

 「どうしてもこのクルマが大好きでずっと乗り続けたい」というようなこだわりがなく、あくまで道具として便利に安く使いたいと割り切れるひとには、サブスクリプションやカーシェアは便利な制度と言っていいでしょう。

 テレビコマーシャルで「クルマ買うのって面倒くさい?」なんて言ってるのを聞くと、「クルマを買うのは人生の最上級の楽しみ」と思っている筆者などには個人的にちょっと寒い時代だなあという感慨は正直あります。世の中の意見が、というよりも「メーカーが自社の商品にはユーザーを惹きつけてやまない魅力があって、愛着を持って長く愛用される」という自信を持っていないでいいのか、というところがなんですが。

 しかし反対にいうとこれは「自動車」という道具がもはや特別なものではなくなってきている、ということでもあるのかもしれません。より自然に、普通に生活に溶け込もうとしている。冷蔵庫やエアコンのように。そしていずれ自動運転が当たり前になって、まるでタクシーのように「呼べばやってくる」時代になれば、クルマはもはや個人で所有するものではなくなっていくのかもしれませんね。

(まいどなニュース特約・小嶋 あきら)