<トランプ氏>為替操作国指定見送り 中国の元安、依然火種

 【ワシントン清水憲司】トランプ次期米大統領は13日、米紙のインタビューで、中国の「為替操作国」指定を見送り、まずは中国の出方を探る考えを明らかにした。ただ、為替政策や通商問題で中国との交渉に進展がなければ「一つの中国」の原則を見直す姿勢も示しており、政策運営は一段と不透明感を増している。

 「中国は明らかに為替操作国だが、(指定は)考えていない」。トランプ氏はこれまで、20日の就任日に中国を為替操作国に指定すると明言してきたが、13日のインタビューでは当面、見送る考えを示した。選挙中から中国の人民元安誘導が巨額の対中貿易赤字を生み、米国の雇用を奪っているとして、操作国指定を看板政策の一つにしてきた。操作国に指定された国は米国との協議で為替政策の是正を要求される。

 トランプ氏の方針転換の真意は明らかでないが、操作国指定がかえってドル高を招くとの計算が働いた可能性がある。中国は経済成長鈍化で海外への資金流出が続き、人民元相場は対ドルで下落圧力にさらされており、中国当局が元買い・ドル売りの為替介入で下落を緩和しているのが現状だ。

 仮にトランプ氏の要求に応じて中国が介入をやめれば、一段の元安・ドル高を招き、かえって中国からの輸入を促して米国の貿易赤字が拡大しかねない。財務長官となるムニューチン氏は「必要と判断すれば行動する」と慎重な考えを示していた。

 指定を見送ることで、米中が対立して制裁措置を打ち合う「貿易戦争」に発展する恐れは和らぎ、その余波が世界経済を下振れさせる可能性も後退する。ただ、トランプ氏はインタビューで「ドルが強いため米国企業は競争できず、大きなダメージになっている」とドル高是正の必要性を強調。「中国は『人民元相場が下落している』と言うが、意図的にやっている」と不満も表明し、中国に為替政策の是正を求める姿勢自体は変えていない。

 操作国に指定せずに中国から譲歩を引き出す手立ては見えず、今回の方針転換はトランプ次期政権の行方を一層見えにくくしている。

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