<西日本豪雨>マツダ再開も短縮操業 広島工場

<西日本豪雨>マツダ再開も短縮操業 広島工場

 西日本を襲った記録的豪雨は、世界の自動車生産の約6割を広島、山口両県の工場で賄うマツダの屋台骨を揺るがした。12日に生産を再開したものの、物流網は復旧しておらず、被災した従業員もいるため、広島の工場は20日まで昼間に限って操業する。部品を供給する地元企業も生産を抑えざるをえず、地域経済への影響が尾を引きそうだ。

 広島県府中町と広島市南区にまたがるマツダの本社工場では12日朝、部品を納入するトラックが相次いで敷地内に入っていった。この工場は設備面では豪雨の被害を受けなかったが、交通網の寸断で従業員の出勤がままならず、防府工場(山口県防府市)と共に7日から操業休止に追い込まれた。

 社員が多く住む付近の住宅街では浸水が起き、100人以上が被災して、出勤できない社員もいる。工場周辺では、物流の大動脈である国道2号の路面が豪雨によって崩れ、迂回(うかい)する車が交通渋滞を引き起こしていた。通勤手段のJR山陽線は復旧まで1カ月以上かかる区間もあり、自動車通勤に切り替えると渋滞を悪化させてしまうので、電車通勤をしていた社員の一部は出勤を控えている。

 再開した本社工場から勤務を終えて出てきた従業員に話を聞くと、「出勤できる人数は少ないが、できない人の分まで頑張るしかない」と自分に言い聞かせるように話す人もいた。だが、「本社を訪ねてくる取引先は少なく、まだ元の状態ではない。早く通常通りに戻ってほしい」といった本音も漏れた。

 防府工場は通常の昼夜2交代の生産に戻ったが、出勤できない従業員もいる本社工場は少なくとも20日まで昼のみの操業となる。自動車産業の裾野は広く、マツダの広島地域の取引先は3次下請けまで含めると2000社を超えるため、昼だけの操業が続くと部品を供給する企業への影響は少なくない。

 「稼働を抑えざるをえない。どれだけ長く続くか分からない」。東広島市などに工場を持つ自動車部品会社、ダイキョーニシカワの広報担当者は頭を抱える。マツダも他の自動車メーカーと同様に、余分な在庫を減らすため受注台数に応じて日々部品を仕入れるからだ。東広島市内の別の自動車部品工場でも「マツダ向けは稼ぎ頭。減産になるので7月は赤字になるだろう」といった声が聞こえた。

 豪雨で寸断された道路の復旧は徐々に進むが、被災前の状況に戻るにはまだ時間がかかりそうだ。マツダ本社工場から約3キロしか離れていない海田町には、自動車のシートやエンジン関連の部品を生産する企業の工場が建ち並ぶ。通常なら本社工場まで車で10分あれば移動できるが、12日には約1時間かかった。海田町でも多くの取引先工場が12日に操業を再開したが、「道路が混雑しているので、時間通りに納入できるか不安だ」と言う工場の従業員もいた。

 マツダの本社工場は豪雨前に決まっていた勤務態勢に沿って、14、15両日は休み、16日から操業する。【加藤美穂子、宇都宮裕一】


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