記録的な少雪で売り上げが減少した観光、建設業者の経営支援のため、山形県は16日、年1・6%の低利融資を始めた。少雪が理由の支援は初めて。仙台管区気象台が同日発表した1カ月予報で、東北地方の日本海側は降雪量が少ない確率が70%。県内経済への影響が広がる恐れが高まっている。

 県商工業振興資金融資制度の対象に「記録的な暖冬・少雪」を指定。最近1カ月の売上高が前年同期比で減少し、今後2カ月の売上高も減少が見込まれ経営に支障が出ている中小企業を対象に、5000万円を上限に10年以内、貸し付ける。申し込みは3月31日まで。窓口は県中小企業振興課(023・630・2359)。

 吉村美栄子知事は同日の定例記者会見で「例年より(客が)2割減、3割減のスキー場があると聞いている。観光、地域経済に打撃が大きくなると大変懸念している」と支援理由を述べた。

 山形地方気象台によると、山形市の昨年12月の降雪量は1953年の観測以来最少の3センチ。今年1月は13センチ(15日現在)で、過去最少だった57年の33センチの半分に満たない。

 蔵王索道協会によると、蔵王温泉スキー場(山形市)の五つのゲレンデは全面滑走可能となったことがほぼなく、「まとまった大雪が降らないと」と気をもむ。一方、県内で最も積雪量が多い湯殿山スキー場(鶴岡市)は例年の半分の100センチながら、「他でできない小学校のスキー教室の問い合わせが相次いでいる。土日の駐車場は満車が続き、他から流れてくる客が増えている」と話す。

 雪関連イベントでは、雪国ワンダーランド(新庄市)▽どんでん平スノーパーク(飯豊町)▽徳良湖スノーランド(尾花沢市)▽蔵王中央高原かんじきスノーハイク(山形市)▽八湯かまくら村(米沢市)は今月11〜19日のオープンを延期。19日開催予定だった神室雪まつり(金山町)は2月16日に変更した。

 除雪業者も影響を受け、山形市道路維持課によると、今冬の市中心部の除雪出動回数はゼロ。同市は除雪機械の維持費の一部負担や出動しなくても除雪費の30%を払う「初期除雪費」はあるが、除雪業者の負担は重い。同市建設同友会の小笠原雅彦会長は「温暖化の影響で雪は減っていたが、今年ほどのものは初めて。経営に影響が出ている業者もあり、少しは降ってくれないと機械も維持できない」と困惑していた。【後藤逸郎】