ホテルチェーンのアパグループが、JR博多駅周辺で集中出店(ドミナント)を進めている。訪日外国人客やビジネス客が多い福岡市ではホテルの出店競争が激化しているが、アパは博多駅周辺で一気に存在感を高め、顧客を囲い込みたい考えだ。

 JR博多駅東約800メートルの地下鉄東比恵駅前で7日、「アパホテル博多東比恵駅前」(206室)が開業した。アパグループとフランチャイズ契約を結ぶ貸会議室運営の「ティーケーピー」が建設。これで福岡市内のアパホテルは3棟となった。さらにアパグループは2021年までに福岡市内で6棟、ティーケーピーも1棟を開業予定で、市内10棟(約2400室)を展開する計画。うち8棟は博多駅周辺に集中する。

 グループの元谷外志雄代表は7日の開業式典で「東京五輪を経て日本は観光大国となる。福岡は西の玄関口として重要だ」と話した。同じ地域に集中出店するドミナント戦略は、知名度を高めるとともに、客室の価格決定で主導権を握る狙いがある。22年以降についても、「さらに倍増を目指したい」と積極姿勢を示した。

 福岡市では、2010年代前半、ホテル客室数は計2万5000室未満で推移していたが、訪日客の増加に伴い、イベント開催や大学入試時の客室不足が表面化するようになった。その後ホテル建設が相次ぎ、17年以降は年3000室ペースで増加。市の昨年3月の推計では、20年にも3331室(18棟)が増える見通しだ。

 「小規模で特徴のないホテルは淘汰(とうた)される」(不動産関係者)と、地元では将来的な客室過剰への懸念も広がっている。元谷氏は「競争は厳しくなり、ホテル業界では寡占化が始まるだろう。知名度トップの選んでもらえるホテルとなることが重要だ」と、集中出店で優位に立つ構えだ。【久野洋】