麻生太郎金融担当相は24日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に金融市場の混乱が続いていることを受けて、不正な取引への監視を強化する方針を示した。麻生氏は「空売り規制の厳正な執行を求め、相場操縦などの不正行為に関する監視を徹底し、違反行為には厳正に対処する」と強調した。

 空売りは投資家が所有していない株式を他者から借りて、市場で売る取引。株価が下がった後に株式を買い戻して返却すれば利益が得られる。株価急落時に空売りする投資家が急増すると、売りが売りを呼んで株価下落に歯止めが利かなくなるため、金融庁は2008年のリーマン・ショック直後に空売り規制を導入。株券の手当ては後回しにして売り契約だけを先行させる空売りを禁止し、手当てがあっても株価の急落局面では直近の株価以下での空売りを禁止した。

 麻生氏は「相場の不安定さを増幅させることや不正行為が行われることがないよう警戒水準を高めて、市場の動向を注視していく」と述べ、証券取引等監視委員会や東京証券取引所などと連携し、監視体制を強化する考えを示した。【古屋敷尚子】