国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2020年分の路線価(1月1日時点)を公表した。全国の平均変動率は、前年比プラス1・6%で、5年連続で上昇した。上げ幅は0・3ポイント拡大した。今回の調査結果には新型コロナウイルスの影響は反映されておらず、インバウンド(訪日外国人客)需要の増加や進む再開発を背景に、全国規模での上昇傾向が続く結果となった。

 都道府県別では、前年並みの21都道府県で上昇した。上昇率トップは観光業が好調な沖縄の10・5%で、全国で唯一10%を超えた。次いで東京5・0%▽宮城、福岡4・8%▽北海道3・7%――となった。近畿2府4県で、上昇は京都3・1%、大阪2・5%。

 一方、下落は兵庫、奈良、滋賀、和歌山など26県。下落率は秋田、福井、和歌山がマイナス1・1%で最大だったが、26県の大半で下落幅は縮小した。

 都道府県庁所在地の最高路線価は、約8割の38都市で上昇し、横ばいは富山市など8都市、下落は水戸市(マイナス2・2%)のみだった。地点別の最高は、東京・銀座の文具店「鳩居堂」前の1平方メートル当たり4592万円で、35年連続で日本一。上昇率トップは、6年連続でスキーリゾート地の北海道ニセコ地区の50・0%だった。

 近畿で税務署別の最高路線価トップ10には、大阪6地点、京都3地点、兵庫1地点が入った。

 37年連続のトップは大阪市北区の阪急百貨店うめだ本店前で、1平方メートル当たり2160万円(前年比35・0%増)。2位は同市中央区の戎橋(えびすばし)ビル前で2152万円(同44・6%増)。京都市下京区の四条通は673万円(同18・1%増)、神戸市中央区の三宮センター街は576万円(同17・6%増)だった。

 他の3県の最高路線価は、奈良市の近鉄奈良駅前が80万円で前年比21・2%増。和歌山市のJR和歌山駅前は36万円(増減なし)。滋賀県草津市のJR草津駅東口広場は31万円で、前年比8・8%増だった。

 国税庁は新型コロナの影響で地価が全国規模で大幅に下落したと判断した場合、路線価を減額修正するなどの措置も検討する。【稲垣淳、二村祐士朗】