<厚労省調査>介護職員の虐待、9年連続最多更新 15年度

 厚生労働省は21日、介護施設や居宅サービスの職員による高齢者虐待が2015年度に408件あり、高齢者虐待防止法が施行された06年度の調査開始以来9年連続で最多を更新したと発表した。前年度より36%多く、3年間で2.6倍の増加。被害者の8割が認知症で日常生活に支障がある人だった。家族や親族らによる虐待も前年度比1.5%増の1万5976件に上り、3年連続で増えた。

 虐待件数は同法に基づく通報や相談を受けた自治体が調査し、虐待と判断したものをカウントしている。

 施設職員らによる虐待は初めて400件を超え、被害者数は778人。内容(複数回答)は「身体的虐待」が61.4%と最多で、侮辱的な言葉や態度を取る「心理的虐待」が27.6%、介護などの放棄が12.9%と続く。

 理由(同)は、職員の理解不足など「教育・知識・介護技術に関する問題」(65.6%)、「職員のストレスや感情コントロールの問題」(26.9%)の順で多かった。虐待のあった施設は、特別養護老人ホームが30.6%、有料老人ホームが20.9%だった。

 一方、家族や親族による虐待件数は、11、12年度と前年より減ったものの、再び増加が続く。被害者は1万6423人で、加害者は息子が40.3%と最多。虐待者と被害者が2人だけで同居するケースが半数を占めた。加害側の要因は「介護疲れ・介護ストレス」(25%)、「障害・疾病」(23.・1%)など。殺人や介護放棄などによる死亡も20件あり、うち7割が介護保険サービスを受けていなかった。

 相談・通報件数は、介護職員が1640件、家族・親族が2万6688件と、ともに過去最多だった。【細川貴代】

 ◇介護知識持たない人増加

 介護現場に詳しい結城康博・淑徳大教授(社会福祉学)の話 施設での高齢者虐待の背景には、人手不足で介護の知識を持たない人材の増加があり、介護報酬のアップが問題解決に不可欠だ。認知症患者へのケアも大切で、職員への研修で人材を育てていくことが求められる。また、施設の密室化は虐待を増やす。施設に任せきりにせず、家族が職員とコミュニケーションを取っていくことが虐待防止につながる。

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